システム開発の現場は長時間労働が多いことで有名ですが、それも一昔前のエンジニアの武勇伝のようなものが語り継がれているがゆえに、実際よりも誇張されている感はあると思います。
かつては2徹、3徹も当たり前だったようですが、今は「残業が多いと言われるシステムエンジニアの労働環境は本当に過酷なのか」でもご説明しているように、長時間労働は抑えようという動きが強いです。今の時代に徹夜ばかりしているSEは単純に仕事の進め方が悪いだけという見方もできます。
徹夜が許されるのは納期前だけ
今の時代、徹夜が許されるのは納期前だけだと思ってください。
前提としてはそもそも徹夜なんてしなくてもいいように、PMがしっかりと工程を管理してシステム開発を進めていくべきですが、予期せぬトラブルや工程遅れによって、どうしても一時的に忙しくなる時は発生してしまいます。納期もそうやすやすと延期できるものではありませんので、そうなると徹夜をしてまで工程をリカバリーするのはしょうがないことでしょう。
逆にそんな非常事態以外のタイミングで徹夜をしているエンジニアは、仕事の進め方・段取りが悪いと思われてもしかたありません。
一人で仕事を抱え込まないようにしよう
複数名のエンジニアがチームになって開発プロジェクトを進めているのであれば、それぞれで担当作業が割り当てられます。同じエンジニアでもそれぞれで技術力に差がありますので、平等に作業量を分配するのは難しいかもしれません。どうしても”できるエンジニア”には多くの仕事が割り当てられがちになってしまいます。
しかし多少の残業でこなせる程の仕事量ならよいですが、徹夜をしないと終わらないぐらいの仕事量になってしまえば、しっかりと相談をして作業の平準化をするようにしなければなりません。もちろんメンバーの作業量を把握して、一人だけに負荷が集中しないように管理していくのはPMの仕事ですが、PMも全員が”できるPM”とは限りません。PMが気付かないようなら、メンバーであるSEから声を上げていくしかありません。
メンバー全員が徹夜をしているような状況であれば仕方ありませんが、自分一人だけに仕事が集中しているようなら、かならず「相談」をして現状を変えていくようにしましょう。これもSEとしてのコミュニケーション能力のひとつです。
安請け合いはしてはいけない
仕事を抱え込みがちなSEの特徴として、「安請け合いをしがち」という面があります。
例えば先輩エンジニアから「〇〇の仕事お願いできる?」と言われれば、すぐに「大丈夫ですよ」と答えてしまう。メンバーで協力して仕事を進めていくのは大事なことですが、頼まれごとを受けすぎて担当作業が増えすぎてしまうのはよくありません。
しっかりと自分が抱えているタスクを把握して、どのぐらいの時間をかければ終わらせることができるのかの見積もりをした上で、さらに協力すべきかどうかの判断をするようにしましょう。
時には頼まれごとを断るということも大事なのです。安請け合いはしてはいけません。
技術的な壁にぶつかり徹夜をするのは絶対にやめよう
技術的な壁にぶつかり、そのまま帰るわけにもいかないので徹夜をしていました、というパターンもあります。
その責任感は褒めるに値するかもしれませんが、こういうのは一番良くない仕事の進め方なのでやめましょう。新人ならまだしも、ある程度経験のあるSEがこんなことをしていたら、仕事の進め方が悪いとしか言いようがありません。
分からないことがあれば、有識者にヒントなり答えなりを求めましょう。そうすれば徹夜などしなくても、1時間程度でカタがついた問題だったかもしれません(有識者が周りにいなければ別ですが、それでも知恵を集めるなどの、何かしらのアクションは起こすべきです)。
仕事をするならいかに効率よく、パフォーマンスよくタスクをこなしていけるかを考えていかなければなりません。どれだけ正解を探すのに苦労し、努力したとしても、効率が悪ければ決して褒められるものではないのです。
優先順位をしっかりとつけて仕事に臨む
日ごろから徹夜ばかりしているSEは、仕事の優先順位のつけ方が悪いことが多いです。後でやればいい仕事を優先したり、逆に今やらなければならない仕事を後回しにしたり。その他にも人に任せておけばよい仕事も抱え込んでしまったりなど。
しっかりと自分が抱えているタスクに対して、どのぐらいで終わらせられるのかの作業見積もりをした上で、優先順位をつけて効率よくこなしていく。「あいつは仕事の進め方が悪い」なんて言われないためには、こうした段取りを上手にこなしていける能力を養っていきましょう。
おわりに
忙しい日々が続いていたとしても、いかに徹夜をしないでもよいか、残業をしないでもよいかを考えるようにしてください。
徹夜をすれば生産性は下がりますし、開発予算も圧迫してしまいますし、健康面も悪くしてしまいます。良いことなんてこれっぽっちもありません。徹夜が許されるのは納期前だけという意識を持って、上手に段取りしながら仕事を進めていくようにしましょう。
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