前回の記事「新卒採用で求める人物像は結局のところコミュニケーション能力に長けた学生」では、技術職であるITエンジニアだとしても、新卒採用時にはコミュニケーション能力を企業側が重要視していることをお話しました。ではコミュニケーション能力とはいったい何なのだろうか・・
たまにコミュニケーションというものの本質を履き違えている人もいるので、いわゆるコミュ力についてご説明していこうと思います。
コミュニケーション能力とは誰とでもお喋りできる力ではない
まずコミュニケーション能力の本質を、どんな人でも分け隔てなくお喋りできる力だと考えている人もいるようですが、これは間違いです。コミュニケーションを取っていく上ではマイナスになることではありませんが、あくまでも”本質”ではありません。
そのほかにも、コミュニケーションを以下のようなものと解釈している人がいますが、いずれも本質ではありません。
- ムードメーカーとなれる
- その場を盛り上げることができる
- 一緒にお酒を酌み交わすことができる
- 人に優しく接することができる
- 相手の気持ちを考えた発言ができる
- 自分の意思をはっきりと表示できる
コミュニケーション能力とは報・連・相ができる力
コミュニケーション能力の本質とは、社会人にとっての基礎である「報告・連絡・相談」ができる力のことを指します。しかるべきタイミングでしかるべき内容を伝えることができることが重要なのです。たとえ口下手で人と喋るのが苦手という人でも、しっかりと報・連・相ができる人間はコミュニケーション能力が高いという評価を与えてよいでしょう。
ITエンジニアであれば、システム開発の際にはプロジェクトチームを結成して開発に取り組んでいくことが多いです。そうするとチーム内の情報共有やプロジェクトマネージャに対する報告を上手にできることが、プロジェクトを円滑に進める上でとっても大事。
いくらお喋りができても、いくらその場を盛り上げるのがうまくても、プロジェクトの遂行とは関係ないのです。本当のコミュニケーション力を持っていれば、以下のような事例で役に立ちます。
例えば・・
開発プロジェクトに参画すれば、管理者に対して進捗報告をするのもメンバーの仕事の一つ。ここで進捗率や、懸案にあがってる事項などの報告をおろそかにしてしまえば、プロジェクトマネージャは全体を把握できません。もしこの先のリスクなどがあれば、同時に相談もするべきでしょう。
報告・相談で一番よろしくないのは、工程が遅れているにもかかわらず、スケジュール通りと虚偽の報告をすることです。自分が抱えているリスクについても、しっかりと相談しておけば、前倒しで対応できますし、自分一人でどうにもならないようになってからでは、後手後手の対応となり、メンバー全員に迷惑がかかってしまいます。
そしてお客様からの要望事項や、リーダーからの伝達事項もしっかりと連絡して情報共有しておくことが必要です。忘れていたでは済まされませんし、情報が共有できていればメンバー全員の知恵を出して、最適な解決方法が導き出せるでしょう。
プロジェクトが失敗に終わる要因としては、メンバー間やプロジェクトマネージャ間、お客様間で報・連・相ができていないことが圧倒的に多いのです。
報告・連絡・相談ができることは、プロジェクトを遂行することに直結します。だからこそ報・連・相ができることを、コミュニケーション能力と同意義にして考えるべきなのです。
入社試験でも報・連・相ができることをアピールしよう
社交的な人間であることは、入社試験の場でもプラス要素であることは間違いありません。ただし企業側としては、それだけを求めているわけではありません。
企業側も一緒に仕事をしていく仲間を探しているわけですから、ムードメーカーの素質を持っている学生よりも、しっかりと伝えるべきことをしっかりと伝えられる学生を採用した方が、会社にとってはプラスなのです。
学生側の立場で考えるなら、就職時の採用試験ではそうした部分を積極的にアピールすると高評価につながるのではないでしょうか。
おわりに
世間一般ではコミュニケーション能力という言葉でひとくくりにされている感はありますが、ビジネスの場においては、報告・連絡・相談といった、社会人の研修1日目で習うような当たり前のことを指すものです(ビジネスシーン以外ではコミュニケーション能力という言葉が指すものも変わってくるでしょうが)。
コミュニケーションが取れることは、仕事を上手にこなしていくためには必須の能力です。その力を養っていくことが、企業の採用試験においても鍵となってくるでしょう。
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