当社でも毎年新卒の学生を採用していますが、校内説明会では「採用選考の際には、どのようなところを評価しますか?」と質問をいただくことがあります。説明会にお越しいただく学生はプログラマーやシステムエンジニア志望なわけですから、どのような技術スキルがあればよいのかを気にしているのでしょう。しかし結局のところ、どの企業も採用選考時に学生に求めているのはコミュニケーション能力ではないでしょうか。

技術力は仕事をしていくうちに伸びる

当社で新卒採用の対象としているのは、学校で情報処理について勉強してきた学生です。IT系専門学校や大学の情報学部が対象となります。

それでも新卒採用時には、学生の技術スキルはそれほど考慮していません。中にはスキルレベルの突出した実力を持っている子もいますが、そうした子は稀で、たいていは学校で学習したレベルでしかありません。別に悪い言い方をしたいわけではなく、学校で学習したレベルのことがしっかりと身についていれば、問題ないのです。

いざ就職して開発の現場に入れば、嫌でも技術力は身についていくものです(もちろん人によって覚えるスピードは違いますが)。だから採用選考時には、人間力というか、その子の素質みたいなものを見るようにしています。

コミュニケーションは仕事をする上でとっても大事

仕事は学生のように受動的ではなく、能動的に行動しなければならない場面が多々あります。またアマチュアプログラマーのように、一人で完遂するようなものでもありません。仕事となると管理者がいて、メンバーがいて、というようにチームで動いていくのが普通です。

そしてチームの中で円滑に仕事を進めていくには、コミュニケーション能力が非常に重要になります。システム開発にかかわる全員がしっかりと報告・連絡・相談ができれば、工程通りにプロジェクトを進めていけるだけではなく、リスク回避やトラブル対応もスムーズに行えるようになります。

コミュニケーション能力は技術力を伸ばすよりも難しい

コミュニケーション能力は技術力を伸ばすよりも難しいことです。先にも説明したように、技術力は開発プロジェクトを経験していく中で絶対に身についていくものです。ですがコミュニケーション能力となると、どれだけ年を重ねても弱いエンジニアがたくさんいます。

だからこそ採用時には短い時間ではありますが、できるだけそういった部分を見ていくことを大事にしているのです。

内向的であることとコミュニケーション力はあまり関係ない

ITエンジニアを目指す子は、どちらかというと内向的な性格の子が多いです。仲間と一緒になってお喋りするよりも、一人で趣味に没頭しているほうが好きだったり。

世間一般では「社交的な子 = コミュニケーション能力が高い」という認識がされているかもしれませんが、社交的であるか、内向的であるかは、コミュニケーション能力を測る上ではあまり関係ないと思っています。

コミュニケーション能力とは誰とでもお喋りできる力ではなく、しかるべき時にしかるべき内容を伝えられることが大事なのです。そのため自分は内向的な性格だから就職は難しいのではないかと悩む必要もありません。
※コミュニケーション力については「企業はコミュニケーション能力を学生に求めるけどコミュ力とは何なのか?」でもご説明しておりますので、ご覧ください。

コミュニケーション能力は数字では評価できない

コミュニケーション能力の高い学生が理想ではあるのですが、それをどのように見抜くかが大事になってきます。

過去には当社でも診断テストのような形でヒューマンスキルを見極めるような手法を取り入れていたこともありましたが、それはもうやめました。コミュニケーション力を含む人間力は数字では評価できないものだと感じたからです。

選考試験は学生さんの貴重な時間を頂戴するわけですから、時間には限りがあります。その限りある時間を診断テストに使うのではなく、人間対人間として、もっと学生さんと会話をして正面から向き合うことを大切にしています。

 

おわりに

コミュニケーション能力さえ高ければよいわけでもありませんが、選考時における限られた時間の中では、まずはコミュニケーション能力が高いのかどうかを採用基準のひとつとしています。

これからITエンジニアを目指す学生の方も、しっかりと勉強して技術力を伸ばすことも大事ですが、コミュニケーション力を高めることも意識しながら生活をしていくとよいでしょう。

 



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