パッケージソフトの開発でもない限り、システムエンジニアはお客様の要望にしたがってシステム開発を進めていきます。

お客様の要望を仕様に落とし込み、プログラムを組んでシステムを形にしていくわけですが、もしお客様の満足度が高い良質なシステムを構築しようと思っているなら、お客様の言うことを聞いているだけではいけません。SEの方からお客様に対して業務改善の提案ができる、提案型システムエンジニアとなることを心がけてください。

提案型SEとは

提案型SEとはシステムの開発段階において、お客様が今後システムを運用していく上で最も効率がよくなるための策を、お客様に提案できるシステムエンジニアのことを指します。

例えばお客様が依頼する業務システムにて、取引先マスタの登録画面が欲しいという要望があったとします。取引先企業を登録する画面を作ることは簡単です。ただしそれで終わらせてはいけません。取引先の登録内容が変更になることを見越して、修正画面であったり、削除機能を用意しておく提案をしてください。場合によっては修正履歴の確認画面が必要になることもあります。

また取引先企業の登録内容についても、お客様は請求書発行時の宛名に使うからと会社名や住所、電話番号ぐらいで大丈夫と言っていたとしても、今後会計まわりとも連携させたいのであれば、締め日や支払日などの情報も持たせておきたいものです。

そしてただ機能を追加するだけでなく、お客様の予算が限られていれば、その中で最良のものを作り上げる努力も大事です。お客様が必要だと主張する機能の作り込みも、少々の運用でカバーできるのであれば、開発予算を抑えられるかもしれません。

業務効率や予算を考えながら、いかにお客様のことを考えて、システムのパフォーマンスが高くなる提案ができるかどうかが、提案型SEの腕の見せ所です。

提案力の差が信頼の差につながる

お客様は業務のプロですがシステムに関しては素人です。だからこそシステムエンジニアに仕事を依頼するわけで、お客様としてもプロの目線から提案が欲しいものです。

システムはお客様とシステムエンジニアが二人三脚で作り上げていくようなものです。提案力の高いエンジニアはお客様から信頼されますし、自然と使い勝手の良いシステムが出来上がります。

お客様からの信頼を獲得できれば、開発が終わったとしても、そのまま保守契約をお願いされるかもしれません。さらに二次開発があれば、リピートで開発依頼を請け負うことができる可能性も高まります。

提案力の差が、お客様からの信頼の差につながることを覚えておきましょう。

 提案型SEになるには業務知識が必要不可欠

お客様に対して、業務改善の提案ができるようになるには、ある程度の経験が必要になってきます。

表面上の使い勝手を良くするにはSEとして開発経験を積めばよいのですが、業務改善というレベルの提案になってくると、どうしても業務知識がなくてはいけません。

だからシステムエンジニアとして一流と言われるまでに成長したいのであれば、プログラミングや設計というスキル以外にも、業務知識を蓄えることが重要になってきます。このことは「50歳を過ぎても頼られるSEになるには業務知識を蓄えよ」でもご説明しておりますので、併せてご覧ください。

30歳を過ぎるようになれば、システムエンジニアとしての開発スキルもある程度身についてくるものです。そうしたら次は、自分がプロフェッショナルになっていきたいと思う、得意分野を極めるようにしてください。

製造業関係の開発に永らく従事してきたエンジニアが、いきなり金融系の開発案件で、業務改善を考慮したシステム設計の提案をしろと言われても難しいわけです。だからこそ特定の業種を絞ったら、提案型SEとして一層活躍できるよう、業務知識を蓄えていきましょう。

新米エンジニアの頃から自分の作業に疑問を持つべき

ただ言われたことだけを作業するようなエンジニアは、絶対に提案型SEになることはできません。いちプログラマーとして設計書の通りにプログラムを組むだけの仕事だとしても、なぜそのようなロジックが必要なのか等、システムの背景にあるものを感じ取りながら作業するようにしましょう。

自分の仕事に対して疑問を抱き、追求し知識として吸収していくことで、業務効率という面での要所が分かってくるものです。そうした経験を積むことで、お客様に対して提案ができるようになってきます。

提案型SEになりたいのであれば、新米エンジニアの頃からこうした思考を持っておきたいものです。

 

おわりに

提案型SEになるためには、新米エンジニアの頃から自分が担当している作業に疑問を持ち、業務知識を深めていくことが大事です。そして開発を進めていく上で、お客様に提案ができるようになれば、お客様から寄せられる信頼も厚くなります。

良質なシステムを構築して、お客様の満足度を高めたいのであれば、提案型SEを目指しましょう。

 



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