残業続きの長時間労働を称賛する風潮は終わりにしませんか?

システム開発の現場では昔から「残業なんて当たり前」なんてことが言われてきました。確かに一昔前のエンジニアたちは徹夜続きも当たり前で、相当過酷な現場を経験してきたようです。

しかし現在は「残業が多いと言われるシステムエンジニアの労働環境は本当に過酷なのか」でもご説明している通り、長時間労働は減少傾向にあります。徹夜作業は日常茶飯事ではなく、よっぽど大きなトラブルが起きた時か、納期前ぐらいでしょう。

ですが現在でも「残業を多くして、長時間労働したSEほど偉い」という長時間労働を称賛する現場もあります。

長時間労働が称賛される現場はSEにとって悪影響

長時間労働が称賛される現場では、平日も夜遅くまで残業が続き、休日出勤も当たり前で、ワークライフバランスが・・なんて言っていられる状況ではありません。言い方は極端になってしまいますが、どれだけ自己犠牲できるかが、仕事や会社への貢献度として見られることもあります。

そしてそこで働くSEにとっては決して良い環境だとは言えません。むしろ悪影響を及ぼすと言ってもよいぐらいでしょう。

何も知らない若いエンジニアがそうした現場を経験すると、「仕事とはこういうものなのか」といったように、間違った仕事の進め方を覚えてしまうので要注意です。それとは逆にベテランエンジニアで今まで生産性を重視してきたエンジニアにとっては、非常にやりづらく感じるでしょう。またメンタルが弱いエンジニアはうつ病を発症してしまうこともよくあります。

こうした「長時間働いたSEほど偉い」と言われるような風潮は終わりにしなければなりません。

中には生活残業をしている人も

余談ではありますが、こうした風潮を利用して、中には生活残業をしている人もいます。生活残業とは、わざわざ残業する必要もないのに、残業代欲しさのためにだらだらと仕事をして、定時後もすぐには帰社しないことです。”カラ残業”と呼ばれることもあります。

長時間労働を称賛する風潮は、こうした生活残業のような悪しき習慣を生み出す要因の一つとなっています。会社にとっては何も良いことはありませんし、本人の健康のためにも、担当している業務が終われば早く帰るべきなのです。

長時間労働が称賛される原因とは

ここで長時間労働が称賛されるような現場が生まれてしまう原因について、以下の二つの視点からご説明していきましょう。

マネージャーの管理能力不足

長時間労働が称賛される現場は、マネージャーの管理能力が低いことが多い印象を受けます。また現場の作業量があまりにも多く、マネージャーがメンバーと同じようなSE作業を行っており、本来のマネージメントの仕事ができていない場合も、今回のようなケースになることが多いです。

本来であればマネージャーはメンバーとは別の視点を持って作業に取り組まなければなりません。目の前の担当作業に注力するのではなく、プロジェクトチームとして全体を見ていく必要があり、いかに効率よく仕事を回していくかを考える立場です。

しかしマネージャーがメンバーと同じような質の仕事をしている、もしくはやらざるを得ない状況では、仕事においての苦労の質のようなものが徐々にずれていき、思考自体がメンバーと同じになってしまいます。

そのためマネージャークラスが普通に「みんな頑張っているのにあいつは何で早く帰るんだ」なんてことを口にすることもあります。もはや「メンバーを監督して、作業の平準化を図るのはマネージャーの仕事だろ」と突っ込みたくもなりますが、マネージャーもメンバーと同じような作業をしなくてはならない状況だと、それを言うのもなかなか難しいものです。

こうしたことが積み重なって、徐々にプロジェクトは炎上していってしまうのでしょう。まさに負のスパイラルです。

日本ならではの美徳も長時間労働を助長する

日本人は昔から「我慢すること・耐え忍ぶこと・苦労すること」を美徳とする思考を持っています。まさに残業続きの過酷な開発現場に当てはまることであり、こうした日本人的美徳観念が長時間労働を助長するものと思われます。

また「和を以て貴しとなす」ということわざにもあるように、協調性があることも、日本社会ではとても大事なことです。だから皆が苦労している中で自分だけ早く帰ろうとすれば「あいつは協調性がない」なんてことを言われかねません。

空気を読むのは素敵な文化かもしれませんが、悪い意味で空気の読み合いになっていることも実際にはあるのです。

労働時間ではなく生産性の高いエンジニアを称賛するべき

長時間働くことは過酷であり辛いことなので、誰にでもできることではありません。それも一つの評価されるポイントとなるかもしれませんが、最も大事なのは長時間働くことよりも仕事の質でしょう。働き者が偉いというのは間違いではないでしょうが、どんな働き方をしているかを見なければなりません。

先には日本の我慢や忍耐を美徳とする観念についてご説明しましたが、こうした日本の美徳を否定するわけではありません。コンピュータもない昔の時代には労働時間が長ければ長いほど生産力は増したことでしょう。しかし現在は違います。仕事においてはさまざまな便利化ツールも登場しており、工夫の仕方次第で生産性は格段に変わってきます。

本来であれば8時間で終わらせられる仕事を、10時間かけて行うエンジニアと、6時間で終わらせられるSEがいれば、後者の方が生産性が高く、仕事の質が高いと評価することができます。だからこそ仕事においては「効率よく仕事をして、早く仕事を終わらせた方が偉い」といったような、欧米的思考を、現代の日本社会も取り入れるべきなのです。

 

おわりに

徐々にではありますが、日本社会も単純な労働時間ではなく、生産性といった労働の質を評価する考え方が浸透してきたと感じます。しかしまだまだ現場によっては長時間労働を称賛するような現場があることも事実です。

そうした場合はマネージャーには本来のマネージメントの仕事に集中させることや、企業文化自体を変えていく取り組みをしていくべきでしょう。

いずれにしろ客先常駐するタイプのシステムエンジニアであれば、こうした現場のプロジェクトに参画するのは、できるだけ避けるようにしたいものです。

 


【記事を書いている人】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

開発系エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、物流、文教、自治体系の開発に従事。現在は営業・採用を主な業務としている。使用言語はVBA、VB.NET、Java。担当フェーズは設計~テスト。

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