ありとあらゆる場所、状況でシステム化が進んでいる現代社会ですが、ITの普及に関しては、まだまだ今後も伸びていくことが予想されます。それは「これからのIT産業の需要は拡大する? それとも縮小する?」の記事でもご説明しているように、IT活用の多様化という点が、IT産業を成長させるひとつの要因となるからです。

新たに脚光を浴びている次世代のIT利用について、どのような活用シーンが存在するのか、その種類についてご説明していきましょう。

人工知能

ずいぶん昔からSF映画の世界では人工知能をテーマにした作品が数多く作られてきましたが、もはや仮想世界のことなんかではなく、現実世界で人工知能が活躍するようになってきました。

ただ人工知能といえども、その根本は人の設計したプログラムでしかありません。しかし人口知能の何がすごいのかと言うと、単純作業を繰り返すのではなく、ディープラーニングという概念で、自ら自己学習することが可能になったことです。

コンピュータが自ら学習していくことで、過去の学習で溜め込んだ膨大なデータをもとに、コンピュータであっても、”判断能力”を身につけることができるようになりました。その判断能力は人間の能力を凌駕するものになりつつあり、昨今では将棋や囲碁といった試合でも、人間に勝る力をつけてきたことが話題にもなっています。

今後のIT産業を語る上では、人工知能という領域が非常に重要な要素となってくるでしょう。

ビッグデータ

一昔前には「ヒト・モノ・カネ」が経営の三要素だなんて言われていましたが、現在では「情報」も加わり四要素と言われることもしばしば。情報化社会と呼ばれる現代ですが、まさにその通りで、情報を制することが、ビジネスを制すると言っても過言ではないかもしれません。

ビッグデータのIT活用とは、従来のデータベースでは管理できないほどの大量の情報(ビッグデータ)を集約し、それをビジネスに活かすことです。

ビッグデータ活用の分かりやすい例を出すなら、ツイッター上で氾濫する多くのつぶやきデータを集約することで、現在のトレンドを察知して販促マーケティングに活かすことができます。その他の例では、高速道路上の車の動きを監視し、大量の交通情報を分析することで、渋滞緩和などの施策を立てることができます。

高度な情報化社会だからこそ、ビッグデータが生まれ、それを利用する価値が発生するのです。

IoT(モノのインターネット)

今でこそIoTという言葉を耳にする機会も多くなりましたが、数年前までは「えっ、なにそれ」状態の人も多かったと思います。IoTとは「Internet of Things」の略語であり、日本語で表現すると「モノのインターネット」となります。

今までインターネットにつながっているものといえば、コンピュータやモバイルタブレットぐらいでしたが、IoTという概念は、そうした電子機器だけでなく、全ての”モノ”がインターネットにつながり、情報連携が行われることを意味します。

例えば最近の家電なんかはインターネットにつながることで、リモートで動かすことができたりしますし、ウェアラブル端末などで、遠い場所にいるお爺さんやお婆さんの生存確認ができたりします。

IoT関連の開発も、今後は伸びていく分野であることは間違いありません。

情報セキュリティ

先ほどは「情報」が経営の重大要素に加わったとお話をしましたが、「情報」というものの重要性が増していくにつれ、「情報」を悪用しようと考える人も出てきます。

そのため企業としては、守るべき情報を守るための、セキュリティ施策が重要になってきます。例えば、悪意のあるウィルス感染の防止措置を講じたり、サイバー攻撃などで大切な個人情報が漏洩しないように防衛するなど。守るべき情報が増える分だけ、セキュリティも強固にしていかなければなりません。

2017年には、情報セキュリティに関する国家資格「情報処理安全確保支援士」が新設されたほどです。昨今では企業のみならず、国家までもがサイバー攻撃を受けている時代。情報セキュリティも近年になって注目度が高まっているIT分野です。

 

おわりに

社会の情報化が進むにしたがって、IT利用の形も多様化していきます。

クラウドコンピューティングやモバイルアプリなどのIT活用は、既に無くてはならないIT活用として、今では当たり前になってきました。それに取って代わるように、今後は人工知能・ビッグデータ・IoT・情報セキュリティといった、次世代のIT活用の成長が、IT産業を支えていくことになるでしょう。

 



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