基本情報技術者や応用情報技術者など、技術系の国家資格は多々ありますが、実際のところ開発プロジェクトの現場において役に立つことはあるのでしょうか・・ 答えとしては難しいのですが、あえて言うならば「実務レベルで役に立つことは少ないですが、持っていないに越したことはない」といったところでしょうか。
実務レベルでは経験がものをいう
基本情報技術者の資格を取得していようが、応用情報技術者の資格を取得していようが、現場で頼りになるのは多くの資格を持っているエンジニアではなく、経験豊富なエンジニアです。
技術系の資格やライセンスを取得するためには、どうしても座学が中心になってきます。もちろんそうした基礎的な知識を持っていることは大事なことですが、実務という点ではいままでの経験で培ってきた”生きた知識”が求められます。
例えば基本情報技術者試験では「10進数を2進数に変換せよ」といった設問があるわけですが、開発の現場ではそのような知識よりも「どのようなパターンのイレギュラーなデータが発生しそうか」といった、開発現場を経験したからこそ身に着いていく知識のほうが役に立ちます。
専門的な開発の現場では資格の勉強が役に立つことも
とは言っても、座学で覚えるようなことがまったく必要ないわけではありません。先ほど例に挙げた10進数から2進数の変換も、アセンブラなどの原始的な言語を使用する開発の現場では役に立つことも多いでしょう。
それにDBエンジニアであれば、Oracleを導入することになった際にはOracleマスター取得で勉強する内容が頭に入っていれば、より緻密で穴のないDB構築ができることでしょう。
専門的な開発の現場では、経験から培った知識も大事ですが、基本的なコンピュータやソフトに対する知識も求められる場面が多く、そうしたことを学ぶ資格の勉強が役に立つのも事実です。
客先常駐案件で資格が役に立つ場面
資格を取得していることは、実作業となると専門的な開発でない限りそこまで役に立つことはないかもしれませんが、それとは別な意味で、客先常駐型での開発案件では役に立つ場面があります。
それはプロジェクト参画時の面談と単価交渉時です。
プロジェクト参画時の面談
昨今では個人情報保護の関係から、お客様先に常駐して開発プロジェクトに参画することが多いのですが、その場合にはお客様との面談をクリアしなければ、プロジェクトに入り込むことはできません。
ひと口にITエンジニアと言ってもいろんな人がいますので、プロジェクトに入る前にはお客様と面談を行い、お客様が求めているスキルを持ち合わせているエンジニアかどうかを確かめます。
その面談の際にはエンジニア本人の技術経歴書をベースに話を進めていくわけですが、そこには取得している資格を併せて記載するのが一般的。同じようなスキルを持つエンジニアが複数いれば、やはり資格を持っているエンジニアのほうが評価は高くなります。
エンジニアとしても本人が希望する開発案件に入りやすくなりますし、会社としてもアサインしやすくなるというメリットがあります。
単価交渉時
社内請負の開発案件であれば、作業内容を確認して見積もりを出すのが普通ですが、客先常駐で開発に従事する場合、エンジニアのスキルレベルを見て、エンジニアごとに月間単価を出すのが一般的(エンジニアの単価 = 開発予算となります)。
その場合エンジニアのスキルが高ければ高いほど高単価で稼働するわけですが、この単価は上記で説明した面談時に一緒に決めることになります。資格を持っていることで、より交渉は進めやすくなります。
またプロジェクトに従事する期間が長ければ、だいたい1年に1度は単価改定のための交渉を行うことになります。この単価交渉時にも、エンジニアが新たに取得した資格があれば、交渉材料となるわけです。
エンジニア単価は直接売上にかかわる事項なので、資格を持っていることは役に立つといえます。
入社試験の時はどうか?
資格が活きる場面といえば、入社試験時があります。就活や転職時にも取得難易度の高い資格を持っていれば、もちろん有利になるでしょう。
就職時や転職時の資格の有用性については「基本情報などの技術系の資格は就職・転職に役に立つのか」にてご説明しておりますので、ご確認ください。
おわりに
基本情報技術者のような技術系の資格を持ってさえいれば、実務レベルで活躍できるわけではありません。やはり実務となると、技術者としての経験がものを言います。
それでも決して資格を持っていることが無駄というわけではありません。場面によっては有利に働くことが多々ありますし、なにより資格取得に向けて努力できるという姿勢は評価されるべきでしょう。
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