システムエンジニアといえば、圧倒的に男性が多い職種の一つです。女性の割合としては、あくまで肌感覚ですが15%ぐらいではないでしょうか。現場によっては女性SEの多い環境もありますが、どれだけ多かったとしても30%ぐらいに落ち着くと思います。
ですが今後は女性SEが増加する可能性が高いです。今回は女性SEが増えていくであろう社会的背景や理由、それからソフトウェア企業としての課題や恩恵について、お話していきたいと思います。
人材不足の解消のために女性SEの雇用が促進される
まず女性SEが今後増加していくであろう理由としては、「人材不足の解消」という点が上げられます。
人口減少で少子高齢化が進む中で、働き手も減少しております。そして働き手が減っているにもかかわらず、IT産業としては「これからのIT産業の需要は拡大する? それとも縮小する?」でもお伝えしているように、需要は拡大するという予測が立てられています。
需要は拡大する見立てなのに、現状では需要を満たすだけの供給力を確保することが難しい・・そこで女性SEの登場というわけです。
現在政府主導となって行われている”働き方改革”でも、女性の活躍を推進しており、2015年には女性活躍推進法が国会で成立しました。より女性が社会で働きやすい環境ができあがりつつある最中なのです。
女性であってもシステムエンジニアを目指して勉強し、開発の第一線でバリバリと活躍する光景も、これからはもっと増えてくることでしょう。
女性SEを雇用することの難しさは離職率の高さにある
なぜ今まで女性SEが少なかったのか、という点についてですが、SEという仕事自体が女性の興味を引かなかったという理由はあるでしょうが、それとは別にソフトウェア企業が女性SEの雇用に前向きではなかったという点も無視できません。
それはなぜかと言うと、女性SEの離職率の高さにあります。どうしても女性のライフプランの中には出産や子育てというイベントが発生します。昨今でこそ男性の「育休」も社会的に認められるようになってきたものの、まだまだ子育てという点では女性にかかる負担は大きいです。
そうすると出産をきっかけに、どうしても仕事を続けられるような状況ではなくなり、仕事を辞めて育児・家事に専念してしまいます。こうした女性としてのライフプランが、システムエンジニアとしてのキャリアデザインと、非常に相性が悪いのです。
SEは技術職のため、経験を積めば積むほど、より良い仕事ができるようになり、SEとしての質も高くなっていきます。20代のうちに多くの経験を積むことで、30代になって視野の広いSEになれるのです。しかし20代~30代前半という期間は出産適齢期とも被ってしまいます。
会社としては、ある意味20代のうちは投資の期間であるという見方もでき、SEとして花開くであろう30代で退職ということになっては、経営的には決して良い話ではありません。だから今まで女性SEの活躍が少なかったとも言えます。
女性が社会復帰しやすい環境を用意する課題もあり
女性に対して出産を控えろということではなく、これからは女性が出産後も社会復帰しやすい環境を整えていくことが、ソフトウェア企業の課題となるでしょう。たとえばテレワークを導入するとか、時短勤務を推奨するとか、男性の育児休業を推進するとか、さまざまな方法があるはずです。
女性SEが長く働いていける環境を作っていくことが、ソフトウェア企業にとっても必要な取り組みとなってきます。
女性SEが増えることは人材の多様化につながる
“ダイバーシティ”という言葉を耳にする機会も多くなりましたが、女性が会社にいることも人材の多様化につながります。男性だけではなく、女性を含めて会議などをすることで、今までになかった発想、アイデアが出てくることで、より一層選択肢が増えるというメリットがあります。
一つの目標を共有する社員同士ですから、同じような意思を持つことは大事ですが、さまざまなアイデアが出てくることも同じぐらい大事なことです。システム開発の場面でも、女性ならではの意見が出てくることによって、より良いシステムが出来上がるかもしれません。
女性SEが増えるということは、男性中心だったシステム開発の現場に、多様化という恩恵をもたらしてくれるでしょう。
おわりに
もともと女性はコミュニケーション力や言語能力が高いため、システムエンジニアという職業は向いていると思います。現在は数も少ない女性SEという存在ですが、女性であってもしっかりとキャリアを積んでいける働き方を用意することで、今後女性SEは確実に増加していくことでしょう。
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