近年外国人エンジニアを採用する企業が増えてきています。10年ぐらい前には外国人エンジニアと言えば中国人が主流でしたが、最近ではミャンマー、タイ、ベトナムなどの東南アジア諸国の人材が増加しているように感じます。

当社は名古屋を拠点とするソフトウェア開発企業ですが、地方都市の企業という目線で、外国人を採用することについて、お話していきたいと思います。

地方都市では外国人エンジニアの採用に消極的

今でこそ東京に本社を置く企業では、社内の公用語を英語にしてみたりと、企業側が外国人を受け入れる体制を整えておりますが、地方都市においてはグローバル化への取り組みは非常に遅れています。

そもそも地方都市になると、まだまだ外国人を街中で見かけること自体、そう多くはありません。(京都や奈良などの観光地がある都市では、外国人観光客をよく見かけますが、名古屋においてはそう頻繁に見かけることはないのです・・)

そのため社内に外国人が1名でもいれば「グローバルな企業だね」と言われるほどでしょう。まだまだこのような状況なので、地方都市においては企業側も外国人とどうやって接していくべきか、探り探り模索している段階なのです。

外国人採用に消極的なのは技術力の問題ではない

本来、エンジニアの世界は確固とした技術力があれば国籍は関係ありません。IT先進国のアメリカでは、世界中から技術力の高いエンジニアが集まってプロジェクトチームを結成しています。

日本にいる外国人エンジニアの中にも、日本人よりスキルレベルの高い有能なエンジニアは山ほどいます。それは分かっているのですが、どうしても採用に消極的になってしまうのは、日本人ならではの思考が影響しているのでしょう。

日本は島国であり、ヨーロッパのように陸続きで国境が接していることもなければ、アメリカのように移民で構成された国家というわけでもありません。戦後の経済においても、ほぼ日本人オンリーで経済成長を成し遂げてきました。

そのため外国人と接する機会も少なく、異文化との交流に対して苦手意識を持っているのが本音でしょう。そのため採用においても、どうしても日本人優先で採用してしまう。外国人採用に消極的なのは技術的な壁よりも、精神的な壁の方がでかいのでしょう。

常駐先のお客様も外国人の受け入れをNGとしていることが多い

システム開発の現場では、自社内ではなくお客様先に常駐して仕事をすることが多いです。そうなると自社でエンジニアを雇用したとしても、お客様には「このような人材をプロジェクトに参画させたいのですが、いかがでしょうか?」と伺いを立てなければなりません。

このような場合、お客様側が外国人の受け入れをNGとしていることが多いのです。そうすると自社でせっかく外国人エンジニアを雇用したとしても、プロジェクトに参画させる先がなければ、必然的に採用は消極的になってしまうでしょう。

外国人だからという理由だけでNGを出すのは人種差別にもつながる部分なので、こうしたところは業界全体で是正していかなければならない部分でしょう。

100名以上の規模の会社では徐々に外国人採用に前向きになってきた

近年のオフショア開発の普及もあり、中小企業といっても100名以上の規模のソフト会社になると、地方都市でも徐々にですが、外国人採用に前向きになってきたようにも感じます。

採用の意図としては、会社が海外に開発拠点を設けて、現地との橋渡し役となるブリッジSEとなれる人材を採用するようなイメージ。近年では東南アジア諸国でオフショア開発をすることが多くなってきたので、ミャンマーやベトナムのエンジニアは比較的人気があります。

純粋にスキルレベルだけを見て外国人を採用することはまだまだ少ないでしょうが、徐々にグローバル化している事実もあります。

 

おわりに

まだまだ外国人エンジニアが日本の地方都市で働くのはハードルが高いかもしれません。国籍関係なく自分のスキルレベルで正当に評価してくれる会社で働きたいなら、やはり東京の企業に身をおいたほうが良いと思います。

ただしIT業界では人手不足の問題が深刻化しているので、これからは地方都市だとしても外国人エンジニアの手を借りるという流れは加速していくことでしょう。