ITエンジニアといえども、その能力は人それぞれです。有能で誰からも頼りにされるエンジニアがいる一方で、無能呼ばわりされてしまう駄目なエンジニアがいるのも事実です。

そして駄目なエンジニアの場合、客先常駐タイプでの開発プロジェクトに参画していると、お客様から「生産性が悪い」なんて言われて、すぐに退場手続きなんてこともよくある話です。

しかし駄目なエンジニアとは、使われる側が悪いのでしょうか、それとも使う側が悪いのでしょうか。

エンジニアを活かすか殺すかは使い方次第

有能なエンジニアは誰に指図されるでもなく、どんなプロジェクトでも最善の提案を行い、周りのメンバーからも頼りにされるものです。これはエンジニアとして理想ではありますが、これができるのは一握りのエンジニアです。

その他の大多数のエンジニアは、活かすも殺すも使い方次第といったところでしょう。使う側の指示が悪いと”駄目なエンジニア”になりますし、適格な作業指示を与えて上手な使い方をすれば”できるエンジニア”として評価されるということです。

つまり「駄目なエンジニアは使われる側が悪いのか、使う側が悪いのか?」という問いがあったとすれば、その多くは使う側が悪いという見方をすることができます。たいていの場合、使う側の能力不足だと思ってもらってよいでしょう。

使う側は能力不足を認めないから厄介

この問題で一番厄介なのは、お客様である使う側の立場のエンジニアが「自分の使い方が悪い」ということを認識していないことです。人を使う能力の低いSEほど、何かあったときの責任の所在を、担当SEのせいにしがちです。

そのせいで「このエンジニアは生産性も低く、支払いしている単価には見合わない仕事しかしない」と評価を下され、契約終了となってしまいます。

エンジニアをお客様先に送り出している側からすれば「しっかりと適格な指示をだして、生産性が高くなるような管理をしていますか」と問いたくなってしまいますが、ずばり言ってしまうのも難しいところですし、教育不足と言われればそれまでです。泣く泣く退場処分を受け入れるしかなくなってしまいます。

本当に駄目なエンジニアがいることも事実

ただし本当に駄目なエンジニアがいるのも事実です。こればかりは採用した会社が悪いとしか言いようがありませんし、採用したからには責任を持って育てていくしかありません。それかお客様に提案する際には、有能なエンジニアとセットで提案するということを考えるべきでしょう。

「できるエンジニア:環境によって変わるエンジニア:駄目なエンジニア」の割合は「2:6:2」ぐらいになると思います。本当に優秀なエンジニアが2割と駄目なエンジニアが2割。残りの6割のエンジニアは先にも述べましたが、使い方次第でどちらにも動くような気がします。

プロジェクトになればメンバーが同じでもPM次第で結果は変わる

「使われる側が悪いのか、使う側が悪いのか」という答えが如実に現れるのは、プロジェクトの遂行時です。同じメンバーだとしても、PMやPLの存在次第で成功に終わるのか炎上してしまうのか、はっきりと結果が変わってくるからです。
※参考記事「開発プロジェクトを成功に導く”できるPM”がやっていること

なぜこのようなことが起きるのかというと、使う側の能力が高ければ、先に説明した6割の「環境によって変わるエンジニア」を”できるSE”に変えることができるからでしょう。さまざまなプロジェクトに入り、いろんなPMを見て、そのプロジェクトの行く末を知ると、どうしても使う側の責任は大きいと感じてしまいます。

SEなら人を使う能力も高めていかなければならない

SEとして成長していきたいのなら、プログラミングや設計能力だけではなく、人を使う能力も高めていきたいところです。

「なぜ指示を出しているのに自分の思った通りにあいつは動かないんだ」という独りよがりの思考ではなく、「どのように指示を出したら効率的に動いてくれるか」や「やる気を出させるにはどうすればよいか」といったことを考えなければなりません。そして指示を受ける側のSEにも個性がありますので、相手の人柄も考慮しながら、自分が発する言葉も変えていく必要があるでしょう。

こうしたことに気付かないと、いつまでたっても自分の指揮するチームの生産性が高くなることはありません。

 

おわりに

多くのSEは使われる側によって、発揮できる能力が変わってきます。しかし実際の現場には、上手に人を使えるSEはそう多くはありません。

「自分はできるのに何であいつはできないのか」と思うのではなく、人それぞれ能力も性格も違いますので、自分に当てはまることが相手にも当てはまるとは限らない、ということをまずは理解しなければなりません。人を使う側の立場になれば、今まで培ってきたSEのスキルとはまた違うスキルが求められるのです。

駄目なエンジニアは、多くの場合使う側の責任が大きいということを覚えておきましょう。

 



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