プログラマーとはC言語やVB、JAVAなどのプログラミング言語を使用してプログラミングを行う職業。家づくりでいえば、建築士が設計した設計図をもとに、大工さんが家を建てるわけですが、それをシステム開発に置き換えると、大工さんの作業がプログラマーの作業に相当します。

プログラマーはかねてより近い将来必要なくなるといわれて幾久しく。まだまだその需要が尽きているわけではありません。本当に近い将来、プログラマーは必要なくなるのか・・ということについて、そう言われる要因や、本当のところなどを考えてみたいと思います。

プログラマーが必要なくなると言われる要因

「プログラマーが将来必要なくなる」なんてことは、すでに10年以上前から言われていたようですが、システムを作るうえではプログラミングは外せない工程です。それでもこのように言われている要因は、次に挙げる社会的な動向が関係しているからでしょう。

オフショア開発の普及

システム開発の現場においては、近年急速にオフショア開発が普及してきました。オフショア開発とは、日本国内ではなく、人件費の安い海外に仕事を外注することを言います。

システム開発の中では、プログラミングや単体テストといった工程をオフショア開発に回してしまうことが多々あります。上記の工程は通常ならプログラマーが担当する作業ですが、システムエンジニアが用意した設計書さえしっかりしていれば、プログラマーの質は関係なく、だれが作業しても同じ仕上がりになる工程だからです。

もちろん社内にいる日本人プログラマーに作業を依頼すれば、PGからSEに逆提案する形で、より良いシステムが出来上がるかもしれません。ただし前提としては設計書の通りにプログラミングを行うことがプログラマに求められる作業ですので、人件費の安い海外諸国に発注してしまう方がコスト的にもよいのです。

こうなると日本人に求められる人材は設計書が書けて受け入れテストがしっかりとできるシステムエンジニアだけになり、プログラマーの居場所がなくなってしまいます。「将来プログラマーは必要なくなる」という言葉は、”日本人”プログラマーは必要なくなるという意味で言われているのでしょう。

人工知能(AI)の発達

上記の項でもご説明しましたが、プログラミングという作業は誰が担当しても同じ品質のものができあがるのが前提です。仕事というよりも作業という言葉のほうが近いでしょう。

そして誰がやっても同じ作業を得意とするのがコンピューター。近年では人工知能の発達も目覚ましく、近い将来は単純作業などの仕事は全て人工知能を搭載したロボットが人間の代わりに働くとも言われています。

こうなるとSEが用意した設計書を人工知能にロードさせれば、自動的にプログラミングしてソースコードに起こしてくれる日がくるかもしれません。人間よりも早く正確にできるのですから、人類プログラマーの存在意義はなくなってしまいますね。

質の高いSEになるためにはプログラマーの経験が必要不可欠

将来プログラマー不要論には、これまでご説明してきたようなことが要因となっているわけですが、本当にプログラマーは必要ないのかという問いには、「そんなことはない」と思ってしまいます。正確に言うならば、「プログラマーは必要ないけど、プログラマーとしての経験は必要」といったところです。

システムエンジニアとしてお客様の要求分析をして設計書を書いていくなら、プログラマー時代に培ったロジカルな思考や、処理速度なども考慮した効率化されたプログラミングの知識は、どうしても必要だと考えます。

プログラマーとしての経験がないままシステムエンジニアの仕事をすると、経験不足ゆえにどうしても細部にまで配慮が行き届いたシステムを設計するのは難しいでしょう。全てはプログラマー時代の経験を糧として、質の高いSEに成長するのですから。

 

おわりに

オフショアの普及や人工知能の発達などの要因もありますが、システムエンジニアに成長していくには、どうしてもプログラマーとしての経験は必須だと思います。プログラマー不要の流れがありつつも、ソフトウェア企業としては自社エンジニアの成長をどのように考えていくかが、ますます重要になってくるでしょう。

ただ間違いなく言えるのは、いくつになってもプログラマー程度のスキルしか持たないエンジニアは、近い将来必要とされなくなるでしょう。