IT業界でも早い会社では5月ぐらいには社内研修を終えて、新人エンジニアを本格的に開発プロジェクトに参画させようという動きが出てきます。ですがどの企業も頭を抱えるのが、新人エンジニアが入れるようなプロジェクトが見つからないということ。

社内開発を行っているソフトウェア企業であればこのような悩みはないでしょうが、客先常駐で稼動していることが多い場合、なかなか新人レベルのエンジニアはプロジェクトに入ることすら難しいものなのです。とは言っても、そのまま社内待機させるわけにもいきませんので、どうにか対応しなければなりません。

人手不足でも新人は敬遠される

現在IT業界が抱えている問題は人手不足です。人手が足りないのであれば、新人レベルのエンジニアでもすぐにプロジェクトに入れるのでは・・と思いますが、現実はそう甘くはありません。

新人とはいえ、プロジェクトに入れば受け入れる側は作業に対する支払いをしなければなりません。もちろん新人レベルでスキルも未熟ですから、エンジニアとしての単価も安いです。しかし技術力が全てのこの世界、新人では「何もできない」に等しいわけです。

お客様としても「何もできない」エンジニアにお金は払いたくはありません。そうすると、プロジェクトに参画できるのはある程度経験を積んだエンジニアに絞られてきます。社内研修を終えたばかりの新人エンジニアが、いきなり一人で開発案件に入るのはまず無理でしょう。

昔は新人でも入りやすかった

それでも一昔前の時代は、人手が足りなく現場が忙しければ「新人でもいいから手を借りたい」という声が多かったです。「何もできない」とはいえ、それなりに学生時代には専門的な勉強をしてきたわけですから、本当に何も分からない素人よりも、役に立つのです。

だからSEやPGの補佐的役目として、プロジェクトに入り込むことができました。ときには入って早々、よく分からないプログラムを組んでみろと無茶な対応をされることもあったようです。

こうしたことができたのも、昔は開発予算が潤沢にあったからでしょう。予算のことよりも、とにかく納期を守ることのほうが優先されたのだと思います。それが今や開発予算も昔ほど潤沢ではありませんので、できるだけ有能なエンジニアを集めて、低予算で開発に取り組みたいのです。

開発ではなくヘルプデスクや保守案件なら可能

新人エンジニアが一人でも参画できる案件となると、開発案件ではなくヘルプデスクや保守案件ぐらいに絞られてきます。

会社によっては開発希望で入社した新人を、とりあえずヘルプデスクやサーバ保守などの案件に投入する企業もあります。業界の慣わしのようなものや、まずは社会人経験を積んで業務を覚えるという意味では無駄ではないかもしれませんが、エンジニアとしてのスキルは身につきません。

それに本人は開発を希望し、開発ができると思って入社してくれているわけですから、いきなり開発とは違う案件に会社都合で参画させてしまうのは、あまりにかわいそうです。

開発案件に入るには先輩社員の下で一緒に

新人エンジニアを開発案件にアサインしようと思ったら、一番良いのは自社のエンジニアの下につかせる形でプロジェクトに入り込ませる形です。

だたしこれも簡単なことではなく、自社エンジニアが入っている現場で、お客様とも友好的な関係が築けていることが前提になってきます。自社エンジニアの能力が低ければ、お客様も「どうせ新人もたいしたことないだろう」と思ってしまい、新人の参画にも難色を示すことでしょう。なにより開発の現場で自社エンジニアが信頼を獲得できていることが重要なのです。

こうして自社エンジニアの下につくことで、不安でいっぱいの新人エンジニアも少しは安堵できるのではないでしょうか。それにOJTのような形式も取れますので、しっかりと新人の成長を見守っていくこともできます。

 

おわりに

ここまでご説明してきたように、新人エンジニアは開発プロジェクトに参画させるだけでも会社は大変なのです。こうした大変さを知っているから、新卒はとらずに中途採用しかおこなっていない会社もいっぱいあります。

ちなみに当社では、研修終了後の新入社員は必ず先輩社員の下で、開発案件に従事できるような環境を整えています。

 



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