現在政府が推し進めている政策の中でも、世間の注目を集めているものが「生産性革命」です。「人づくり革命」と並べて語られることも多く、双方がアベノミクスにとって、また今後の日本にとっての経済成長の柱となるプロジェクトです。
この政府が掲げている生産性革命の推進によって、IT産業はますます需要が増加することが予測されます。
まず・・「生産性革命」とは
なにかとニュースで報じられることも多い「生産性革命」ですが、いったいどのようなプロジェクトなのか、ざっくりとご説明しますと、「人口減少で働き手が不足している日本社会という背景がありながらも、GDPなどの指標で表されるような経済規模は拡大していきたいという思いから、最新のテクノロジーを利用して業務の効率を高めて生産性を上げる」というものです。
そのために民間企業に対し、設備投資や人材投資を積極的に行うよう促すために、税制面などで大胆な改革を政府は進めています。
生産性を高めるためにはシステム化が必須
世の中の企業や団体がシステムを導入することの目的の一つには、「業務の効率化」があります。まさに生産性革命で狙うところの、人手を抑えながら業務効率を上げるには、システム化を進めるのが得策となるのです。
今まで人の手で行っていた業務をシステム化することで、さらに作業効率を上げるわけです。例えばAI技術を駆使することで、これまでのオペレーター業務はわざわざ人が対応しなくても済むようになるかもしれませんし、ビッグデータ解析を緻密に行うことで、マーケティング部門の手助けになることも予想されます。
既に現時点においても世の中はシステムで溢れていますが、技術も年々進歩していけば、できることの幅も広がっていきます。そう考えると人の手に取って代わってシステム化できる業務も、まだまだ尽きることはないのではないでしょうか。
老朽化したシステムも新しいものへ
またせっかく構築したシステムも年数が経ち老朽化してくると、既存の機能が現行の業務に合わなくなってきたりと、なにかと運用や保守のために多くの人手を必要としてきます。ただし生産性革命としては「より少人数で、これまでの業務をまわすこと」が肝になってくるわけですから、老朽化したシステムは新しいものへと作り変えなければなりません。
システムという存在は自分自身で修復や改善を加えることができませんので、そこでもシステムエンジニアといった技術者が必要になるわけです。
旧システムをリプレースして、次世代のシステムに一新するという意味においても、ますますIT需要は高まり見せることになるでしょう。
実際にIT予算を潤沢に確保しているというお客様の話も
実際に弊社が担当しているエンドユーザー様からも「生産性革命という流れもあり、来年度のIT予算は豊富に確保している」という話は、ちらほらと耳にするようになってきました。この先人口が増える兆しは全くありませんから、どの企業も今後やってくるであろう更なる人手不足に対応するため、IT投資を積極的に行っているようです。
私たちIT産業に従事する者としては、仕事がないよりも潤沢に有り余るほうが嬉しいわけで、なんとも景気の良い話であります。
エンジニア不足はさらに深刻になるのか?
ただし業務のIT化と併せて話題に上るのが「システム化を進めたいんだけれども、システム設計のできるシステムエンジニアが見つからない」という話。現時点でもITエンジニアは不足しているわけですが、企業のIT需要が今以上に高まれば、必然的にITエンジニアの不足も加速していくでしょう。
そうしたSE不足を補うためにも「IT人材の不足を解消するため、今注目されている3つの人材層」でもご説明しているような、シニアエンジニア、女性エンジニア、外国籍エンジニアに注目が集まっています。今後はどのようにして人材不足を解消していくのかが、業界全体の課題となってくるはずです。
おわりに
民間企業としても中長期での経営計画を立てるためには、政府の方針や国策といったものに注目することは非常に大事です。
これから向こう数年は、政府の掲げる働き方改革の一環である生産性革命によって、ますますIT需要は増加していくことでしょう。そしてそれに伴いIT人材の不足も加速化していくため、今後はいかにSEやPGなどのエンジニアを確保するかという策も、緻密に練っていかなければならないでしょう。
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