自分がどの会社に就職するかは、学生のうちから多くの会社説明会に参加したり、企業のウェブサイトをチェックしたりと、自分自身で決めるものです。ただし入社後、最初につく自分の上司にあたる人間は、どうしても自分自身で選ぶことができません。

近年ではOJT(On-the-Job Training)という制度を設けて、しっかりと上司や先輩が職場教育させますよ、ということをアピールする会社も多いです。ただOJT自体が悪い制度ということは決してありませんが、そんな制度よりも誰に教えてもらうかの方がよっぽど重要。最初についた上司次第で、新入社員の将来は左右されてしまうのですから。

新入社員は上司の言うことイコール社会

社会人経験がゼロの新入社員は、まだまだ社会のことについて右も左も分からないことが多いです。アルバイト経験が豊富な学生さんならそこまでではないかもしれませんが、やはりアルバイトと正社員では役割も責任も違ってくるもの。

会社に入社して、多くのものを見たり、経験することで社会というものを学んでいくわけですが、一番接する機会の多い上司からの影響は多大なるもの。もし理不尽なことを言う上司だった場合、何年もまっとうに社会人経験を積んできた者であれば「この人は何を言っているんだ」で済んでしまうかもしれませんが、それが新入社員ならそうではありません。「社会とはこのようなものなんだ」と解釈してしまうかもしれないのです。

最初に培った価値観や仕事に対する姿勢というのは、それを是正するには多くの時間と労力と強い意志を必要とします。良くない上司のやり方を踏襲したまま自分も上司になった日には、負の連鎖が続いてしまいます。会社内では一定の地位を築けるかもしれませんが、転職などを考えた場合、その後うまくやっていけることは少ないでしょう。

最悪は早期退職という結果にもつながる

嫌な上司でも自分がなじんでいくことができたり、「人は人、自分は自分」というしっかりした考えをお持ちの方は、ある程度うまくやっていけるのかもしれませんが、どうしてもなじめない場合は、最悪早期退職という結果を招くことになりかねません。

まだまだ今の日本社会では、入社三年未満での退職は「逃げ出した」と思われることも少なくありません(徐々にスキルアップでの転職を肯定する見方も増えてきていますが)。

上司が嫌でドロップアウトしたなんてことになれば、その後のキャリアプランを描くのも難しくなってしまいます。

上司の変更を提案してみよう

早期退職という結果に陥らないためにも、決して簡単なことではありませんが、上司を変更してほしいと会社に願い出るのもひとつの手かもしれません。

一人の上司のために自分のキャリアプランが台無しになってしまうのは面白くありません。それであれば、少し勇気を出してみるのもありなのではないでしょうか。

入社前には会社の雰囲気や従業員の人柄も見てみよう

ここまでいろいろとお話してきましたが、一番良いのは質の低い人間がいる会社には入社しないことです。誰でもいいから採用!という会社ではなく、採用試験を行ったり、社長面接を行ったりと、選考に時間をかけている会社は、比較的社会人としてまっとうな人間が集まることが多いのではないでしょうか。

入社前の会社説明会では、募集要項だけをチェックするのではなく、また人事担当だけを確認するのではなく、既存の社員に対する新卒採用人数の割合、会社の雰囲気、人事担当以外の社員の人柄なども意識するとよいでしょう。

食事会などがあれば、ぜひ参加することをお勧めします。

 

おわりに

会社にとって新入社員教育は非常に重要です。新入社員のその後の人生を考えたら、企業としても生半可な気持ちで教育に臨めるわけがありません。やはり会社が新入社員の子に本当に成長してほしいと望むのであれば、手が余っている上司を教育担当にするのではなく、忙しくても有能な社員に任せるはず。

学生側としても、最初の上司は自分で選ぶことができませんので、できるだけ質の高い社会人がいる会社を選ぶようにしましょう。



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