システム開発の現場では、多くのエンジニアがプロジェクトチームを結成して開発に取り組んでいくものですが、それぞれのエンジニアには個々の役割というものがあります。

その役割とはプロジェクトを統括するPM(プロジェクトマネージャ)、設計を行うSE(システムエンジニア)、SEの手足となってプログラミングを行うPG(プログラマ)といったところが主でしょう。開発の規模によってはPMの補佐的役目のPL(プロジェクトリーダ)を立てることもあります。

そしてシステム開発はたびたび工程遅延を起こしてしまうのですが、それは担当SEや担当PGが悪い部分もあるのでしょうが、多くの場合はPMクラスの人間の管理能力が甘い場合が多いのです。

PG・SEを管理するのがPMの仕事

PMの仕事は工程遅れを発生させているSE・PGを叱咤することではありません。マネージメントという言葉を直訳すると”管理”となるように、SE・PGが工程遅れを発生させないように管理することがPMのやるべき仕事なのです。

システム開発の工程が遅れてくると、遅延の原因を全て担当SEやPGのせいにするPMがいますが、それは筋違いです。はたからみれば自分の能力不足をさらけだしているようで、こっけいな様子だと受け取られかねないでしょう。

プロジェクトが円滑に進まないのは、PMの管理能力に問題があるのです。たとえ自分は間違っていないと思っていたとしても、工程遅延から納期遅れということになれば、結果論としてそれはPMの責任なのです。

SEやPGが悪い場合もある

結果論としてはPMが悪いわけですが、その経過としてはSEやPGの質が悪いことだってありえます。チームで動いているにもかかわらず報告・連絡・相談をまったくしてこないエンジニアや、工程が遅れているにもかかわらず他人事のように問題軽視するエンジニアなど。

もともとが技術者の集まりのため、エンジニア自身がチームで連携をとってやっていくのが苦手なのかもしれません。ただしPMとしてはその状況をただ見ているだけでは、最終的には自分にツケが回ってきてしまいます。そのため適宜状況判断をして、担当エンジニアの交代や作業配分の見直しなどをしていかなければなりません。

PMに求められる能力とは

先に説明したように、時にはプロジェクト遂行のために能力の見合っていないエンジニアを担当から外すという決断もしなければなりません。

PMに求められるのは、プログラミングスキルでもお客様の要求分析能力でもなく、状況判断能力なのです。常にその場の状況を把握し、適切な判断を下していく。こうした能力が欠如している人間がPMを担当すると、あれよあれよという間にプロジェクトが炎上してしまいます。

もし各エンジニア間での連携がスムーズに行われていないようであれば、すばやくそれを察知して、担当エンジニアに状況を聞いて解決に導いてあげる。また一人のエンジニアに作業負荷が集中して、品質を落としそうな状況であれば、スポット的にでも増員を行う。それぞれは小さなことかもしれませんが、これらの積み重ねがマネージメントなのです。

プロジェクトの問題は常に形を変える

プロジェクトの問題となる懸案事項は、一定のタイミングでやってきてくれるほど優しくはありません。プロジェクトが進行している限り、常に問題点も形を変えるのです。

工程の初期段階では、解決させるまでにいくぶんか余裕のある懸案事項も、納期前になれば、時間単位で状況が変わってきます。都度変化する状況を見極めながら、適切な判断を下してあげなければなりません。PMは常にプロジェクトの進捗状況を意識し、突発的に発生する懸案にもすばやく対応していくことが大事なのです。

PMほど品質確保、工程厳守の意識を強く持つべき

プロジェクトの工程遅延を防ぐには、開発に携わるもの全てが品質確保と工程厳守の意識を共有しておくべきですが、その中でもPMは特に意識高く仕事に望むことが求められます。

品質と工程の話は「プロジェクトの炎上を防ぐなら「工程厳守」と「品質確保」を忘れるな」にてご説明しておりますので、よければこちらもご覧ください。

 

おわりに

何事もなくプロジェクトが進んでいけばいいのですが、そうそう全てがうまいこといくことはありません。たいていの場合は対処しなければならない懸案事項が生まれ、担当エンジニアが対応を後回しにしたり、適当な対応をしてしまうことで、あとになって取り返しのつかないことになり、工程遅れが深刻になってしまいます。

発端はSE・PGなのかもしれませんが、マネージメントという仕事を任されているPMの存在がしっかりしていれば、深刻な工程遅れにまでは発展しません。もし毎回プロジェクトが遅延してしまうようであれば、担当エンジニアを責め立てるのではなく、PMの管理能力を伸ばす方向にも力を入れていくとよいでしょう。

 



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