システム開発には制御系開発、組込み系開発、業務系開発がありますが、開発に従事するシステムエンジニアも、30歳ごろにはそれぞれの開発に特化したエンジニアになっていくものです。

制御・組込み系エンジニアと業務系エンジニアでは、もちろんどちらもプログラミングスキルが必要なのは言うまでもありませんが、その他にもそれぞれ求められるスキルがあるのです。

業務系エンジニアに必要なもの

まず業務系エンジニアに必要なものですが、制御・組み込みエンジニアよりも圧倒的に対人スキルが求められます。業務系システムとは、お客様が手作業で行っている業務をシステム化して業務効率をよくするのが目的です。

だからどのような作業をどんな形でシステム化していくのか、開発の初期段階ではまだまだ仕様が固まりきっていません。お客様の要望を聞き、時には提案をしながら、一番使い勝手の良いシステムを作り上げていくのです。

この段階でしっかりとお客様とコミュニケーションを取ることができなければ、見当違いなシステムが出来上がってしまいます。お客様はシステムのことは素人です。しっかりとお客様の求めているものを理解し、共有し、開発を進めていく必要があります。

お客様が満足することが大事

お客様と一緒になって、知恵を絞りながらシステムを形にしていくわけですが、最終的にはお客様に満足してシステムを使っていただけることが一番の理想形です。

不具合が発生してしまうのはもってのほかですが、どれだけ高度な処理ロジックを考えたとしても、お客様が使いにくいシステムであれば、満足度は下がってしまいます。逆にシステムで全ての処理を行えなくても、少々の運用でカバーでき、使いやすいものであればお客様の満足度は高くなります。

その満足度は使いやすさだけではなく、処理時間なども影響してくるでしょう。またシステムを利用するお客様にとっても求める利便性は異なってきます。

「このお客様だったらどんな機能に特化すれば喜んでくれるか?」ということを考慮しながら開発を進めるのも、業務系エンジニアに求められるスキルのひとつなのです。

制御系・組込みエンジニアに必要なもの

制御系・組込み系エンジニアが必要なものは、極限までにロジカルな思考です。業務系システムは唯一無二のシステムを作り上げるのに対し、制御系・組込み系システムは一つのシステムを複製し、大量に同じ製品を作り上げていきます。

例えば自動車の制御をするシステムなら、同じシステムを搭載した車を数万台と生産しますし、システムが組み込まれた家電なども同様です。

だからこそ徹底的にシステムを作りこんでいく必要があります。少しでも処理スピードが速く、バグが発生しないように作りこんでいきます。業務系システムであれば軽微な不良ぐらいなら、運用でリカバリーできますが、一度製品化してしまった組込み製品の場合、そう簡単ではありません。数万台がリコールということになり、莫大な損失が生まれてしまいます。

だからこそ制御系・組込み系エンジニアには、緻密なシステムを作りこめるだけのロジカルな思考や正確性が求められるのです。

自分のタイプを分析して進むべき道を選択

業務系エンジニアはコミュニケーションスキル、制御・組込み系エンジニアなら徹底的にロジカルな思考力が求められます(どちらのタイプのエンジニアも前提としてはそれぞれの能力が必要ですが、あえて特化した能力が必要なら、ということです)

エンジニアの特性として、本当にプログラミングをするのが好きという方は制御・組込み系開発が向いています。お客様と一緒になって開発をしていくのが好きという方は業務系システム開発が向いています。

どちらのエンジニアの道に進むかは、一度自分のタイプを分析してみるとよいでしょう。

 



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