2000年ごろにITバブルが盛り上がり、昨今ではAIテクノロジーの発達やプログラミング教育などで、何かと話題を集めることになったIT業界。
IT業界とは、平たく言うとIT(インフォメーションテクノロジー)を駆使して事業を行っている企業で形成される業界のことですが、大きくは3つの業務形態にジャンル分けすることができます。
IT業界って何? と疑問を抱えている人に向けて、IT業界として分類される3つの分野をご説明していきたいと思います。
ITベンチャー界隈
一般的にIT業界と聞くと、華やかなイメージを持つ方が多いようですが、だいたいイメージするのはITベンチャー界隈のことでしょう。世間が抱くイメージを言葉にするなら「風通しのよい企業文化」「若い社長」「高い給与水準」といったところでしょうか。
主にB to C向けサービスの提供を行うことが多く、それゆえIT業界やIT企業と聞くと、ITベンチャーを思い浮かべる人が多いのでしょう。
SNS企業やスマホゲーム企業、各種WEBプラットフォーム事業を行っている会社が該当します。海外ではAppleやGoogle、Facebook。日本ではYahooやサイバーエージェント、DeNAなんかがメガITベンチャーなんて呼ばれていたりします。
ITの力を駆使して、これまでのビジネスモデルとはまた違う、人々にとってより便利で、新たな収益構造を生み出す事業を企てるのがITベンチャー。その存在は世間のスタンダードを一変させることもあり、まさに時代の先端を行く企業と言えます。
新興企業が多いためアイデアと行動力次第で、イチ会社員だとしても多くの裁量をもって働くことができるのは魅力ですね。
IT業界の中でも華やかな世界となります。
SI界隈
SI界隈は一般の人にはあまり耳なじみのない言葉だと思いますが、システムインテグレーター(Systems Integrator)と呼ばれる大手ITベンダーが頂点に立ち、中小ソフトウェア企業までが参加しているIT業界のことです。
※システムインテグレーターはSier(エスアイアー)とも呼ばれたりします。
B to Bの形態でお客様システムの開発をすることがメインで、大手Sierは日立製作所や富士通、NTTデータなどの社会的認知度の高い企業が名を連ねます。こうした企業がシステム開発を受託し、さらに下の中小企業に開発の一部を再委託するような構造で成り立っております(業界のイメージとしては建設業界のゼネコンと中小建築事業者の関係に近いです)。
中小企業でも硬派にSierとして受託開発を行っていることもあれば、自社内にて企業向けパッケージソフトを作っている企業もありますが、中小ソフトウェア企業の多くは、大手Sierの社内に常駐する形で開発に取組んでいることがほとんどでしょう。
自社サービスではなく顧客システムの開発になるため、プロジェクトチームを結成し、PM、PL、メンバーなどの役割を分担し、機能的にシステム開発を進めていきます。
3つの分野の中では最も多くの企業とITエンジニアが従事している業界ですが、華やかさは乏しくIT業界の影といったところですね。
WEB界隈
WEB界隈とは、その名の通りWEB制作を主な事業としております。
先に説明したSI界隈でもWEB系のシステム開発はしておりますが、SI界隈では業務系WEBシステムの開発を得意としており、WEB界隈では企業のホームページやキャンペーンページなど、インターネットよりのWEB制作を得意とします。
ITエンジニアが顧客折衝からコーディングまでするわけではなく、プロデューサー、ディレクター、デザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアなど担当ごとに職務が分かれ、分業化さているのが特徴です。
※ディレクターはプロジェクトのディレクションしかしませんし、フロントエンドエンジニアは画面側の開発しか行いません。
システム開発という仕事が誕生したのは、コンピュータが生まれたのと同じく1900年代中盤ぐらいですが、WEB製作という仕事が誕生したのはインターネットが台頭するようになった1990年頃から。IT業界の中でもとても歴史が浅い分野なのです。
WEBの表現もHTMLでページを作成するだけだったものが、インターネットの発達によって一層リッチで凝った表現ができるようになりました。まさに日進月歩の世界で、技術面だけでなくデザインなどのトレンドも追っていかなければなりません。
WEB製作を代表するような大企業はありませんが、それぞれの中小WEB製作企業が地場に根付いて仕事をしております。
おわりに
一口にIT業界、IT企業といっても、大きく3つの領域・分野に分かれること、ご理解いただけましたでしょうか。どれが良い悪いということではなく、それぞれの分野でまた違った楽しみや辛さなどがあるのでしょう。
これからIT業界を目指すというエンジニアは、以上のことを踏まえた上で、自身のキャリアプランを考えてみるのも良いかもしれませんね。
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