システムの開発プロジェクトを円滑に進めるには、PMやPLにおける高いマネージメント力は必要不可欠です。これは揺るぎのない事実でしょう。
ただ欲を言うならば、もう一つ欲しいものがあります。それはプロジェクトメンバーによる管理される能力。開発プロジェクトは「PM、PLによる管理能力」と「メンバー側の管理される能力」の二つが揃うと、とても強いチームとなります。
ということで、メンバーにとって必要な管理される能力について、ご説明していきたいと思います。
なぜ管理される能力が求められるのか?
まずはそもそも「なぜメンバーにも管理される能力が求められるのか?」ですが、チームを管理していくというのは本当に大変だからです。
リーダーやマネージャーがいくら目を光らせ、適切な作業指示を与えていたとしても、メンバーが言うことを聞かなかったり、自分勝手に動いてしまえば、より高い管理能力が求められてしまいます。どんなメンバーでも管理していけるという屈強なPL、PMであれば問題ないでしょうが、現実問題はそうそう上手くいきません。
(メンバーが自分勝手な動きをするのはマネージャーの管理能力不足だと言われればそれまでですが)実際の現場では、まだまだ役不足なエンジニアが管理側に回ることだってあります。だからメンバー側が管理される能力を高めることは、ある意味PL、PMの業務を補助することにもつながり、とてもマネージメントがやりやすくなるのです。
チームとして動くのですから「メンバーだからマネージメントのことなんて関係ない」ではなく、お互いの立場のことを思い合ってプロジェクトを進めていく必要があるのです。
管理される能力を磨くために必要なこと
システムの全体を理解する
イチメンバーだからと言って、自分に与えられた作業指示だけを理解してはいけません。しっかりとその作業指示の背景にある意図を汲み取れるようにしましょう。
そのためにはシステム全体の理解が大事です。チームで動くようなプロジェクトであれば、いくつかのモジュールが連携していると思いますし、自分の担当箇所が他モジュールにどのような影響を及ぼすのか(インプット・アウトプットの関係性とか)まで理解していると、作業指示を出す方も、とてもやりやすくなります。
自分に期待されていることを察する
チームとなれば、メンバーそれぞれに役割分担が与えられると思いますが、まず前提として、自分の役割についてはしっかりと理解しておきましょう。そしてそれに加え、自分自身に期待されていることも察することができるようになると、より良いです。
プロジェクトが進んでいくと、誰の担当領域でもないグレーな問題が浮上してきます。もしそれがインフラよりの問題であれば、インフラエンジニアが問題提起し、対応にあたるのが一番です。それが共通モジュールにおける問題であれば、一番近い部分を担っている担当者が対応にあたるのが一番だし、気づきも早いはずです。
もちろんこうしたことはPL、PMの役割でありますが、問題を提起し、対策について助言をするというのも、メンバー側の立派な仕事です。メンバー全員の意識として、なぜ自分がその役割を与えられ、何を期待されているのかまで考えがまわるのが理想ですね。
本当に報告・連絡・相談が大事
プロジェクトが炎上するのは、だいたい「報告・連絡・相談」という社会人1年目で教えてもらうような基本が、チーム間で連携できていない場合がほとんど。
また「報告・連絡・相談」はタイミングも重要になってきます。トラブルになる間際にそうした報告が上がってきたとしても、対応は慌ただしくなり作業の品質も落ちてしまいます。
しっかりとプロジェクトの先も見据えた上で、余裕を持って報告をするのが本当に大事。これを意識するだけで、8割方プロジェクトの炎上を防げるのではないでしょうか。
マネージャー側に立場を置き換えて考えよう
メンバー側の管理される能力を磨くために必要なことを書いてきましたが、とにかく「自分がリーダーやマネージャーだったら・・」ということを意識してみましょう。
チームのパフォーマンスを最大限に高めるためには、個々のポジションだけを考えていてはいけません。メンバーだとしてもPLやPMなどの管理側の立場になって考えてみれば、自分自身がどのような行動を取れば良いのか、自然と答えは見つかるはずです。
それに常にそうした視線を意識していれば、確実に視野や思考の幅が広がるはずですし、自分自身がいざPLやPMの立場になったときにも、上手にプロジェクトを進めていけるはず。
おわりに
メンバーとして管理される能力を高めるということは、PLやPMにとっても「こいつは使えるやつだ」という印象を与え、高評価を得られるはずです。有能なエンジニアと言ってもよいでしょう。
プロジェクトの炎上を防ぎ、無駄な疲労や徒労を回避するため、自分自身の評価を高めるためにも、管理される能力を磨いていきましょう!
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