私たちが拠点を置く愛知県は、世界的な自動車メーカーの本社があるという背景もあり、自動車にまつわる制御開発の仕事も、非常に多くあります。例えばエンジン制御やブレーキシステムなどなど・・
自動車大国とも呼ばれる日本においては、車載関係の制御開発をスキルとして身に付けていれば「生涯SEとして仕事には困らない」なんてことが一部では言われたりしますが、今後は車載の制御開発に従事しているSEも、大きく仕事の質が変わっていくかもしれません。
電気自動車へのシフトが加速
いま自動車業界は大きな変革を迎えようとしております。それが電気自動車(EV)へのシフトです。
かつての自動車といえば、ガソリン車が当たり前でした。昨今では環境への配慮や燃費の良さなどから、ハイブリット自動車が人気を博しておりますが、これからは必ず電気自動車が台頭してくることになるでしょう。
世界の自動車産業を見てみると、ヨーロッパでは電気自動車へシフトする動きが加速しております。特にイギリスやフランスでは2040年までにガソリン車・ディーゼル車の国内販売を禁止するという方針を打ち出していますし、その他ドイツやノルウェー、そして膨大な人口を抱えるインドや中国も電気自動車の普及に躍起になっています。
現状、電気自動車に関しては自動車大国の日本は後れを取っている状態でしょう。しかし世界的に電気自動車へのシフトが加速している中、必ず日本も電気自動車への対応が急務になってきます。(既に各社電気自動車の開発を始めているようですが)
EV化によって、必要の無い部品や、新しく生まれる技術が出てくる
電気自動車(EV)がガソリン車に取って代わることで、必要の無い部品が出てくるわけですが、その代表的なものが”エンジン”です。エンジン制御を得意としているエンジニアにとっては、今後はいつ自分の仕事がなくなるか分からない・・といった状況になるでしょう。
しかしエンジンの必要性が無くなれど、車載の制御システムが無くなることはありません。電気自動車はエンジンではなくモーターを使用して動作するのですが、今度はそのモーターを制御する技術が必要になってきます。
車載制御という大きな枠組みでは、自動車関係のシステム開発がなくなることはないでしょうが、個々の部品単位で見てみると、技術的な部分は大きく様変わりすることになります。これまで車載制御に従事してきたSEは「この部品の制御システムだけ覚えておけば安泰」ではなく、もう少し広い知見を持つことも重要になってきます。
自動運転による変化
ガソリンを必要としない電気自動車もそうですが、自動車産業でのもう一つの大きな変革といえば、自動運転の技術でしょう。
こうした分野は既存の大手自動車企業だけではなく、異業種であるグーグルやアップルなどのIT企業も参入しております。車体自体は自前の物ではないものの、既に試験走行も成功させており、既存の自動車メーカーとも切磋琢磨しながら、自動運転にむけた開発を進めている状態です。
こうした自動運転開発に異業種であるIT企業が参入するという事実を、もう少し視野を広げて考えてみると、ゆくゆくは自動車にもOSが搭載され、各種アプリケーションをインストールすることで部品制御や新たな機能を追加する(今のスマートフォンのような使い方)ような時代が来ることも、十分に予想できるのではないでしょうか。
車にOSが搭載されれば、スマホ台頭の二の舞になる可能性も・・
上記のように車にOSが搭載される・・という話になれば、かつてのガラケー市場が海外勢力のスマートフォンに市場を食われてしまったときと同じようなことになる可能性も否めません。純粋な日本車のシェアは減少し、グーグルなどの情報産業で成長した企業の車がスタンダードになるかもしれません。
もしもそのようになってしまえば、日本の自動車開発に携わるSEの仕事も、圧倒的に少なくなります。少々飛躍した考えかもしれませんが、こうした状況に陥る可能性もゼロではありません。
「車載開発のスキルがあるから仕事には困らない」と慢心するのではなく、危機感を持ちながら、積極的に新しい技術領域も身につけていった方がよいかもしれません。
おわりに
自動車大国の日本ですから、車載制御や関連部品などの開発に従事している技術者の数も相当でしょう。ただし100年に一度とも言われている転換期を迎えている自動車産業ですので、今後は開発の質も種類も、大きく様変わりするかもしれません。
自動車開発に従事するSEも、産業の変化に対して柔軟に対応していくことが求められるでしょう。
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