客先常駐での開発プロジェクトに参画するためには、お客様との面談をクリアしなければなりません。お客様はSEと面談することで、対象のSEが持っているスキルを確認し、人間性を確かめ、問題がなければプロジェクトに招き入れるのです。

このお客様との面談の印象が悪いものになってしまえば、開発プロジェクトに入ることすらできません。そのためSEは面談も上手にこなしていくことが求められます。と言うことで、今回はお客様面談を成功させるためのコツについて、ご説明していきたいと思います。

事前にスキルシートをベースに自分の経歴を把握しておく

まず面談前に絶対にやっておいてもらいたいことは、自分自身のスキルシートを事前に確認しておくことです。ソフトウェア企業の営業がスキルシートを用意して、SE自身は面談の場で初めて目を通す、ということはあってはいけません。これでは上手にアピールすることは難しいでしょう。

面談はある意味、自分を売り込むためのプレゼンの場なわけですから、事前準備が大事になってきます。だからこそ事前にスキルシートを確認して、どのようなことが聞かれそうなのか、頭の中で想定問答をシミュレーションしておくぐらいのことはやっておきましょう。

技術面でのアピールはマスト

経験者の面談では、スキルシートをベースにして会話が進みますので、今までどのような開発の現場を経験し、どのようなスキルを持っているのかが、肝になってきます。

しっかりと自分が持っている技術的スキルや、担当できる工程の幅などは、自分自身の言葉で説明できるように整理しておきましょう。「○○の現場では□□の工程を担当し、自分自身△△の技術を習得したので、今回の現場でも貢献できる領域は多分にあります」というエピソードまで用意できれば尚良しです。

また「できる」と言っても、「人に教えられるレベル」「一人称で作業できるレベル」「サポートがあればできるレベル」など、そのレベルもさまざまです。そうしたことは背伸びしすぎることなく、自分自身を正当に評価できることも大事なことです(後ほどご説明しますが、過大評価しすぎると不幸な結果につながってしまいます)。

技術面だけでなく、人間性もアピール

面談担当者も、一緒のチームに招き入れるメンバーを探しているわけですから、人間性も評価しています。もちろん30分や1時間程度の短時間で、人間性の全てを評価できるわけではありませんが、短い時間でも面談相手から感じ取れる雰囲気みたいなものは伝わります。

コミュニケーションが苦手な性格であれば、せめてはきはきした言葉遣いを意識したりするなど、人間性という部分も魅力的に見せていく努力をしましょう。

また清潔感も大事です。身なりが不清潔だと「業務面でも適当な仕事ぶりじゃないだろうか」と、悪い印象を与えてしまいます。爪が伸びすぎていないか、ネクタイが緩んでいないか、寝ぐせはついていないか、といったことも気をつけるようにしましょう。

質問には簡潔に、分かりやすく回答する

面談担当者から振られた質問には「簡潔に・分かりやすく」答えると、印象が良くなります。簡潔に分かりやすく返答できる人は、相手の聞きたいことを察知する能力が優れていて、論理的な思考で内容をまとめることができる人です。

逆にだらだらと質問に答えるような人は、開発プロジェクトに参画した後も、しっかりと報・連・相ができるのかどうか不安になってしまいます。

こうしたことは、ぶっつけ本番では難しいので、日ごろから簡潔に分かりやすく物事を説明する練習をしておくようにしましょう。自分を良く見せたいのであれば、特訓も必要不可欠なのです。

前向きな姿勢を見せること

面談の場において、ネガティブで後向きな姿勢を見せるのはよくありません。

ただしこれから入る開発プロジェクトで求められているスキルの全てを満たしていることは稀でしょう。今回の現場で初めて担当することあるはずです。

そうした初めて経験する領域について聞かれたときに「自信が無いです・・」と答えるよりも、「経験は無いですが、自分でも勉強をしながら、できるように頑張っていきます!」と答えた方が、圧倒的に印象は良くなります。

初めてのことを経験するのは、誰もが不安なことですが、前向きな気持ちを忘れないようにしてください。

嘘は絶対にいけない

最後はお客様とのエンジニア面談で”絶対にやってはいけないこと”について。それは嘘をつくことです。

一昔前であれば、未経験の領域にもかかわらず実務経験ありとして、お客様にアピールすることもあったようですが、今の時代にそんな嘘をつけば、信用だけ失って終わりです。(実務経験があるかのごとく、自主学習なりで努力できるSEなら話は別かもしれませんが・・今の時代は得策ではありません)。

例えばJavaができないのに、Javaの経験があるとアピールしたり、基本設計工程はサポート程度でしか経験がないのに、一人称でできますと答えたり。嘘をついて現場に入って、いざ任せてみたけど”できない”となれば、本人も辛い思いをしてしまいますし、お客様からの信用も失います。

客先面談において大切なのは、面談をパスしてプロジェクトに参画することではなく、面談の場でしっかりと自分のスキルを認めてもらい、その後にプロジェクトで活躍してお客様の信用を得ることなのです。このことを忘れないでください。

 

おわりに

お客様先面談を成功させるにも、それなりの準備やコツのようなものがあるのです。そこを疎かにして、毎度ぶっつけ本番のような形で臨んでいては、いつまでたってもSEのスキルを正当に評価してもらえないかもしれません。

今回は経験者の場合の客先面談についてご説明しましたが、スキルも経験もない新人エンジニアの場合は「新人エンジニアが初めての客先面談でアピールすべきこと・注意すべきこと」の記事を参考にしてください。

 



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