システムエンジニアやプログラマーなどのITエンジニアは、技術力を武器にして戦う職人のようなものですので、同じ業界内であればわりと転職はしやすいものです。転職は人生の中でも重要な転機となるわけですが、上手に転職を成功させる人もいれば「転職なんてしなければよかった・・」と後悔する人もいます。

今回は転職を考えているSE・PGの方のために、エンジニア転職で失敗するパターンについて、ご紹介したいと思います。

年収のモデルケースを鵜呑みにしてしまった

エンジニア転職で「こんなはずじゃなかった」となるパターンの多くは給与面での後悔です。昨今では昇給率も日本全体で鈍化していますので、より給料が高くなるであろう会社に転職したいという人も多いです。

そこで参考にするのが、企業の求人ページに掲載されている年収のモデルケースのような事例。皆さん「30代前半で年間600万円の報酬」や「28歳で月給支払40万円」ような文章を見かけたことがあるはずです。ただしこれを鵜呑みにしていたりはしませんでしょうか。

もちろん悪質な嘘というわけではないでしょうが、盲目的に信じるのもよくはありません。月給ベースは一時金含めての金額かもしれませんし、特殊なスキルを持った最上位のエンジニアの給与水準かもしれません。その他にも残業過多になった月のモデルケースかもしれませんし、基本給は安くて手当金ばかりで水増しされているかもしれません。

世の中うまい話はそうそう転がってはいませんので、考えれば考えるほどそこには何かしらの”からくり”があると疑ったほうがよいかもしれません。

企業訪問した際には、しっかりと基本給ベースの給与の平均値・中央値や、賞与や昇給率については確認しておくとよいでしょう。

会社の風土・雰囲気がなじまなかった

いくつもある中小ソフト企業でも、会社の風土や雰囲気のようなものは個々の企業で異なるものです。業務としてはシステム開発で、自身のスキルを武器にして活躍していけるでしょうが、企業に属するエンジニアでいる限り、会社内のさまざまな制約にも縛られることになります。

「今までの会社では自由にやらせてくれたのに、ここではいちいち上長の許可が必要だ」とか、「前の会社は社員が皆仲良く交流もあったのに、この会社は殺伐として横のつながりが全くない」など、業務以外の面で不満を感じることも多いです。

会社に所属するからには、その会社の風土や雰囲気が自分にマッチしているかどうかも、楽しく会社員生活を送るための重要な要素となります。こうしたことは外部からではなかなか分かりにくいものですが、会社訪問の機会などがあれば、人の雰囲気などもチェックするようにしておきましょう。

給料は高いが休みがない

「給料は高くなったけど、激務が続いて休みが全くなくなってしまった」というのもエンジニア転職の失敗例としてよく聞きます。

上記の場合、もし休日よりも給料を優先したい人であれば問題はないでしょう。しかし給料はそこそこでいいから、休みをしっかり取りたいと考えているエンジニアにとっては、決して良い職場環境とは言えません。転職をどう捉えるかは、個人の考え方によっても変わってくるものなのです。

給料ばかりに目を向けるのではなく、しっかりと自分が求めているものが手に入る企業かどうかを吟味するようにしましょう。

技術者の成長を考えてくれない

ベテランエンジニアに成長してからの転職であれば問題ないでしょうが、20代の若いうちに転職を考える場合は「SEとして成長できる会社か?」ということも気にするようにしてください。

転職時の会社訪問では良いことばかり言われるけど、実際にその会社に入社したら、エンジニアを商品のようにしか思っていないような会社だった・・なんてことになれば、エンジニアとして満足のいくキャリアを積んでいくことは難しくなってしまいます。もしそうなってしまえば、年を重ねてから苦労するのは自分自身です。

技術者という存在を会社がどのように捉えているのかは、企業の上層部や営業部の人間と話をしていく中で、相手の考えを読み取っていくとよいでしょう。

転職サイトに上位表示されているから優良企業だと思ってしまった

昨今では転職する際には「リクナビNEXT」や「マイナビ転職」といった、求人媒体を利用することが多くなってきました。求人媒体にはいくつもの企業が掲載されているわけですが、その優位性については注意してください。

求人媒体で検索をかけて、一番上位に表示される企業が優良企業というわけでもなければ、媒体側のおすすめ企業というわけでもありません。そのため上位表示されているからといって「ここの企業はきっと優良企業だろう」と思ってエントリーするのは間違いです。

いくつもの掲載企業の中でも上位表示されているのは、単に媒体側に多くのお金を払った企業です。「求人に対して多くの予算を投じれるほど利益も出ている」という見方もできますが、決して「上位表示 = 優良企業」ではないことを覚えておきましょう。

しっかりといろんな企業に目を通して、ちゃんと自分がやりたいことができそうな企業、自分に合っていそうだと思う企業を選ぶようにして下さい。

 

おわりに

比較的業界内で転職しやすいITエンジニアだからといって、全ての転職が成功しているわけではないのです。世の中では成功例ばかりが注目されるため、ついつい転職は良いものと思ってしまいがちですが、失敗する例があることも忘れてはいけません。

転職においても、求人企業の担当者の言葉や求人票の記載事項を鵜呑みにするのではなく、しっかりと自分の目と頭で判断することが求められます。

ちなみに当社でもSE、PGの中途採用は積極的に行っています。お互い良い関係になれるよう努力していますので、転職をお考えのエンジニアは採用情報をご確認ください。

 



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