クライアントサーバータイプでのシステムを構築する場合、社内に自前のサーバー環境を用意することもありますが、企業によってはデータセンターの利用を選択することもあります。同じサーバなのに何が違うの?と思われるかもしれませんが、データセンターを利用するには以下のようなメリットがあるのです。
初期コストの削減
サーバー環境を社内に構築しようと思えば、それなりにコストがかかります。機器をそろえるところから始め、機器を設置するスペースも確保しなければなりません。そこをデータセンターのサーバーをレンタルすることで、初期コストを削減できますし、社内にサーバールームなどのスペースを用意する必要もなくなります。
自前のサーバーではない分、レンタル費用はかかってしまいますが、数十万、数百万するほど高額にはなりません。ホスティングサービスにもよりますが、数千円~数万円程度が相場でしょう(大規模システムであれば十万超えもありえるでしょうが・・)。
ランニングコストという面でも、社内にサーバールームを設ければ、機器が使用する電力や、温度管理などで光熱費がかさんでしまいます。データセンターの利用ではサーバーレンタル料が発生するとはいえ、光熱費やサーバールーム分の賃料がかからないことを考慮すれば、そこまでランニングコストが負担になることもないでしょう。
手厚いサポート体制
データセンターを利用するのは手厚いサポート体制がつく、というメリットは大きいです。
社内サーバーでも運用管理のエンジニアを専属で付けようと思えばできないことはないですが、それなりの費用が発生してしまいます。ですがデータセンターはいくつもの企業のインフラ運用をまとめて面倒を見ることで、低価格ながら担当者をつけて、何かあった時の相談窓口を用意することができます。
24時間の監視体制
データセンターでは24時間の監視体制を敷いていることも珍しくはありません。サーバーは人間とは違い24時間稼働します。そのため夜中にトラブルが起きる可能性も十分にあるのです。
そうした夜間のトラブル発生時に、誰も対応することなく放置していれば、機会損失を生んでしまうかもしれません。自社ではなかなかできない24時間体制での監視業務も、データセンターを利用することで可能になります。
セキュリティ面での安心感
データセンターという特殊な環境だけあって、情報漏洩に対する対策も徹底しています。
センター内には限られた人間しか入れないようになっていたり、サーバーにアクセスするためにもいくつかの認証をパスしなければならなかったりします。また近年話題のサイバー攻撃に対する取り組みもされていることでしょう。セキュリティという面では、社内サーバーよりも信頼性が高くなります。
昨今ではネット通販事業者も増えており、大事な顧客情報を企業が管理する場面も多くなってきます。個人情報に対する危機意識が高まっている現代だからこそ、データセンターでしっかりとデータを管理してもらいたいものです。
環境面・施設面で災害に強い
「天災を前にしては人間は無力だ」なんてことはよく言われますが、できることなら企業にとって大事なデータは天災からも守りたいものです。データの破損・紛失は、企業に大きな損失となってしまうからです。
データセンターはお客様の大切なデータを預かり、システムの基盤となるインフラ周りを運用する場所なので、環境面・施設面で災害に強いというメリットがあります。
地震などの災害が少ない沖縄県にデータセンターの拠点をおくこともありますし、都市部であってもバックアップは別の拠点を利用するなど、二重、三重の対策がとられることもあります。またデータセンターは耐震基準においても高い水準で建物が建造されていたりします。
いつ起こるかわからない災害についても、備えあれば憂いなしといったところです。
おわりに
クラウド環境も当たり前になってきた現代ですので、これからはますますデータセンターを利用したシステムが普及するのではないでしょうか。社内でサーバールームを用意するよりも、さまざまなメリットを享受することができますから。
ただしデータセンターによっても金額やサポート体制はさまざまです。どのデータセンターを利用するかは、事前に安全性やサポート内容をしっかりと確認するようにしましょう。
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