システムエンジニアとは、自分の技術力を武器にして仕事をする技術者です。技術力が高ければ高いほど仕事の幅も広がりますし、エンジニアとしての市場価値も高くなります。
当社が拠点を置いているのは愛知県の名古屋市ですが、東京や神奈川などの関東のSEと比較すると、職業SEが多いような気がします(あくまで個人的感覚でしかありませんが・・)。
仕事以外では一切プログラミングなどの技術的勉強をしないエンジニアのこと。
業務上、必要に迫られれば新しい技術を習得するが、個人的には積極的に技術を覚えることはしない。
上記のように技術習得に積極的ではない”職業SE”が、地方都市に多い理由を考えてみたいと思います。
地方都市に職業SEが多くなる理由
システムエンジニアを目指した当初は技術的なことが好きで、新しいことを覚えるにも意欲的だったのでしょうが、いつの日か職業としてしか技術習得をしなくなった職業SEたち。そんな地方都市に多くみられる職業SEが生まれる経緯には、以下のような理由があるのではないでしょうか。
新しい技術が入ってこない
まず地方都市には、先端技術が入ってこない(というよりも、入ってくるのが遅い)という理由が挙げられます。やはり関東は技術的にも一歩先を進んでおり、東京で使用されている先端技術も、年単位のタイムラグで地方都市に普及するようなイメージでしょうか。
現在であればRubyやPythonなどの比較的新しい言語は、関東の方ではだいぶ盛り上がっているようですが、地方都市になると、なかなかRubyやPythonを使用するような仕事がなく、そうした技術に触れる機会も少ないです。
逆に地方都市ではシステムの堅牢性を重視する傾向も強く、レガシーなシステムを守り続けることも多いです。こうした背景では、知識吸収に貪欲なSEにとっては、退屈さを感じるのかもしれません。
勉強会などの開催が少ない
プログラムについての勉強会などの開催も、地方都市は関東と比較すると圧倒的に少ないです。
関東の方ではエンジニア同士のコミュニティーが存在していたり、イチ企業が他社のエンジニアを招いての技術勉強会などを開催していたりと、スキルを磨く環境が整っています。そうした環境が身近にあれば、技術習得も容易になりますし、一人でもくもくと勉強するよりも、楽しみながら技術を覚えていくことが可能になります。
私たちが拠点を置く名古屋市も、そうした勉強会がゼロではありませんが、関東に比べれば数は少なく、技術力を高める機会が限られてしまいます。
もちろん自発的にエンジニアが勉強会を開催・参加しているだけでなく、開発業務でも先端技術を使用する機会の多い関東だからこそ、新しい技術を覚えていかないといけない。という背景はあるでしょう。
エンジニアの数が少ない
ソフトウェア開発の仕事自体が、多くの企業本社が集中している関東圏に多いもの。それに比例するように、エンジニアの数も関東は桁違いに多いです。
東海圏と関東圏のエンジニアの数を比較すると、おそらく1:7とか、1:8ぐらいの割合になるのではないでしょうか。関西圏と関東圏を比較しても1:5ぐらいの割合になるかもしれません。
先の項につながる話ではありますが、単純に数が多ければエンジニア同士の交流も盛んになりますし、コミュニティーも生まれ、文化のようなものも発展しやすくなります。
逆に地方都市の場合は、エンジニアの母数自体が少ないため、技術に対してそれほど熱が高くない人にとっては、その熱を燃やし続けていけるような機会に触れ合うことも少なく、職業SEと成り果ててしまうのかもしれません。
おわりに
趣味のプログラミングと、仕事としてのシステム開発はその性質も違うため、一概に職業SEが悪いわけではありませんし、職業SEの方が変な感情が入らない分、よりシステマティックに良い仕事をすることもあります。
ただし技術者である以上、「好き」や「興味がある」という気持ちを持つことは非常に大事です。そう考えると、職業SEとなってしまうのは少々寂しい感じもしますが、そのようになってしまうのは今回説明したように、地方都市と関東との環境の違いが影響しているのでしょう。
※誤解のないように申しておきますが、地方都市にも技術力を伸ばすために、様々な情報を集めたり、積極的に勉強会などに参加しているSEもいます。ただしその割合が関東のSEと比較して少ないというだけです。
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