どんな職業でも辛い経験をすることはあると思います。それはシステムエンジニアも同様で、残業が多くて帰れない日々が続いたり、大きな案件を任されることのプレッシャーだったり、さまざまな辛い思いをします。
しかしSEになって一年目は、ある意味では一番辛い時期になるかもしれません。実際エンジニア人生をスタートさせたばかりの一年目で挫折する人も少なからずおります。今回はエンジニア一年生での特有の辛さについて、ご紹介していきたいと思います。
一年目は技術力が乏しくて辛い思いをする
SEになって一年目の何が辛いかといえば「技術力が乏しい」ことです。もし専門学校や大学で情報処理を学んできたとしても、現場で活躍するレベルとまではいかないでしょう。未経験でIT業界に転職した人はなおさらです。
もちろんソフトウェア企業によっては数ヶ月の技術研修を設けているところもありますが、研修を満期で受講したところで、まだまだ第一線で活躍するほどのレベルには至りません。実際の開発現場に入ってみないと分からないこと・覚えられないことはいっぱいあるのです。
そんな中で新人エンジニアが感じる辛さについては、具体的には以下のようなものが挙げられます。
分からないことが辛い
ソースコードを見ても何の処理が行われているのかさっぱり分からない・・ということも新人エンジニアのうちはよくあるでしょう。一年目はまだまだ知識も乏しいため、先輩社員との会話についていくことさえ危うくなってしまいます。とにかく分からないことが多く、それが辛いのです。
とは言っても「分からない」と悩んでいるだけでは、らちがあきません。もし優しく教えてくれる先輩社員が身近にいればよいのですが、そうでなければ自分で調べるなり、人に聞くなりしてどうにかするしかありません。
プログラミングに関しては”慣れ”の部分もあります。最初は上手にできなくても、経験を重ねていくうちに自然とできるようになるものです。
やりたくてもできないことが辛い
いつまでも雑用レベルの仕事ではなく、先輩社員と同じように開発の現場で活躍したいと思うでしょうが、経験値が不足しているが故に、やりたくてもできないことが辛いです。早く新しいことを覚えたい、成長したいと思うのは非常に良いことですが、そうあせる必要もありません。
特に一年目はエンジニアとしてだけではなく、社会人としても一年目です。技術的なことだけではなく、社会的なマナーや仕事の進め方なども学んでいかなければなりませんので、まずは目の前のことをしっかりと確実にこなしていくことに全力を注ぐようにしましょう。
ミスが多く怒られるのが辛い
新人はミスをするものです。そして怒られるのは誰だって嫌なものですから、ミスをして怒られるたびに辛い思いをすることになります。
しかし逆にミスをしないようにと、消極的な仕事ぶりになるのではなく、一年目のうちはミスすることを恐れずに何事にも挑戦するようにしてください。ミスをすることで学習することもたくさんありますし、そっちの方が同じ過ちを繰り返さなくなります。
会社側も新人のミスにいちいち目くじらを立てるのでなく、ミスをさせること、先輩社員がカバーすることも教育の範囲内という考えを持ってほしいものです。
自分の存在意義が見出せないのが辛い
エンジニアになりたての技術力の乏しい一年目は、任せられる作業範囲が狭いため、自然と雑用を任されることが多くなります。そうすると自分の仕事は誰かの役に立っているのだろうか・・や、仕事を通して社会に貢献できているのだろうか・・と感じてしまいます。
仕事はお金のためだけではなく、社会のため、人のためになっていると感じられるから”やりがい”が生まれるものです。しかし新人のころは仕事内容も単純で、エンジニアとしての自分の存在意義を見出せなく、辛い思いをすることになるでしょう。
二年目にもなれば成長を感じられ楽しくなる
ざっとエンジニア一年目で感じる辛さを書き連ねてきましたが、これらを理由にドロップアウトしていくエンジニアがいるのは悲しいことです。
本当は「三年間は辛くても頑張って」と言いたいところですが、丸一年間は頑張ってほしいものです。SEとして一年が経過すれば、先輩社員のお手伝いレベルだとしても、さまざまな経験を通して学び、身につけているスキルも増えているはずです。
そうすると二年目を迎えたときには「一年前の今頃はできなかったことが、今は難なくできるようになっている」と感じる瞬間が生まれるはずです。まさにエンジニアとして自分の成長を感じる瞬間であり、それは楽しさへとつながります。
自分が成長することの楽しさを感じられるようになると、「もう少し続けてみよう」というチャレンジ精神のようなものや、仕事を続けていくことの意欲がわいていくるはずです。
おわりに
とにかく一年以内にシステムエンジニアを辞める決断を自分自身で下すのは時期尚早です。社会人としても未熟でありますし、技術者としても大した仕事を任されているわけでもありません。
もちろん人によって成長の早い遅いはありますが、他人と比較しても仕方の無いことです。一年目はエンジニア人生の中でもある意味辛い時期かもしれませんが、せめて自分の成長を感じ取れる二年目までは頑張って欲しいと思います。
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