小売店では販売管理システム、製造業では生産管理システム、運送業では物流管理システムなど、今や多くの企業でシステムはなくてはならないものとなっています。

ただしまだまだシステム化に踏み切れていない企業もいることでしょう。ということで、これからシステムを導入しようかと考えている企業の方に、人的業務をシステム化する意味や目的について、ご説明していきましょう。

システム化の目的とは

システムは決して安い買い物ではありません。数十万~数千万、さらに大規模になると数億円~数百億の予算でシステムを導入することになります。ただ営利企業である限り、高いお金を払ってでもシステム化を進めるのには、それなりの理由や目的があるわけです。

作業負荷(人件費)の軽減

企業が利益を生み出すためには、人の存在が必要不可欠。そして人を雇うということは、当たり前ですが人件費がかかってしまいます。企業の経費の中でも人件費の占める割合は大きく、ここを削減できればより利益率を高めることができるわけです。

そこでシステムが役に立つというわけ。例えば小売店の販売管理システムにしても、お客様からお預かりした代金を一日の売上げとして集計するには、毎日その日の売上げを電卓をたたいて計算しなければなりません。

一日のみの処理であればたいしたことはありませんが、それが毎日続くものなら、ましてや複数の店舗があるのなら、それなりの作業負担となってしまいます。ですがもしレジシステムを導入していれば、ボタンひとつで1日の売上金を集計でき、さらにはどんな商品が一番売れたのかや、どの時間帯に売上げが集中したのかなど、マーケティングデータまで入手することが可能になります。

その他にも電気料金などの利用料金の計算や、アルバイトスタッフの給与計算にいたるまで、人の手に変わって手間のかかる作業をシステムが行ってくれます。簡単な話、今まで10人かけて行っていた作業に対し、システムを入れることで1人で回せるようになれば、9人分の人件費が浮くことになります。

このようにシステムを導入することで作業負荷が軽減され、そこにかかる人件費を抑えることができるのです。

ミスをなくす

コンピューターの特徴のひとつに、ミスをしないということがあります。それはコンピュータは人とは違い、あくまで組まれたプログラム通りにしか動かないため。(ここはコンピュータのデメリットとも言い換えることができるわけですが・・)

例えば単純な足し算でも、それを1万回計算しつづければ、どんな人でもミスを起こしてしまうでしょう。しかしコンピュータなら、人間よりも早く、ミスを起こすことなく計算ができます。企業の業務においては、ひとつミスをおかしてしまえば、リカバリーに多くの人と時間を費やしてしまうことになります。

単純作業をさせるにはコンピューターはもってこいの代物であり、人為的ミスをなくすという意味でも、システムを導入する意味はあるのです。

煩雑となったデータの一元管理

営業活動の幅が広がれば広がるほど、取り扱うデータの種類や件数は多くなり、管理は煩雑になってきます。

本格的にシステムの導入をしていない企業では、まだまだ複数のエクセルファイルでデータを管理していることも多いのではないでしょうか。そうした場合、エクセル間でのデータ連携ができなくて、お困りの事業者も多いはず。

システムであれば、いくつかの業務にまたがるデータを一元管理することができます。例えば小売店の売上げデータであれば、店長なら必ず売上げデータを確認したいはずですし、マーケティング担当や仕入れ担当など、複数の部署で同じ売上げデータが必要になるはず。そうした場合もシステムによってデータをひとつの場所にまとめ、必要なときに必要な人にデータを提供することができるわけです。

さらにサーバーを立てることによって、複数の人がそれぞれの場所で同じデータを共有できますし、誰かがデータを更新すれば、その更新データもすべての部署で共有できるのです。

 

おわりに

以上、ざっと企業がシステム化することの目的や意味を説明してきましたが、最終的に突き詰めれば経費節減となるわけです。これからシステムを導入しようとしている企業は、今回ご紹介したようなことが、システム導入のメリットとなるものだとご理解いただければよいかと思います。

 



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