プログラミングが好きでプログラマーという職種を目指したにもかかわらず、ずーっとプログラマーでいることはできません。厳密に言うなら、生涯プログラマーとして活躍していくのは難しいものです。
今回はプログラマーとして会社に入社したのに、その先もプログラマーではいられない理由について、お話していこうと思います。
通常はPGからSE、その先へと成長していくのが普通
ITエンジニアとしてのキャリアはPGからスタートさせるのが一般的です。そしてSEへと成長し、PMなどの管理側に回るのが理想とされています。エンジニアとして成長すればするほどプログラミングをする機会が減っていくのは皮肉なものです。
プログラマーを脱却して、システムエンジニアにならなければならないのは、次のような理由があるからでしょう。
PGの単金はSEより安い
PGが稼ぐ金額とSEが稼ぐ金額を比較すれば、圧倒的にSEが稼いでくる金額のほうが高くなります。エンジニアの給料という面でも、売上が高くなればなるほど昇給しやすいものです。
このように単金の差が生まれるのは、仕事の質が違うからです。プログラミングという仕事は、ある程度慣れてくれば、それほど難しいものではありません。ある意味「作業」という言い方もできてしまいます。
しかしシステムエンジニアの仕事は、システム開発の中でもコアな部分の設計から始めるため、多くの経験を積まないと満足のいく成果を出すのは難しいものです。
誰にでもできる仕事ではないからこそ、作業単価もSEの方が高くなるのは当たり前ですよね。だからこそ設計ができるような能力を身につけたり、業務知識を豊富に蓄えることで、高単価を稼ぐSEになる必要があるのです。
出世するにもPGのままではいけない
フリーランスではなく、ソフトウェア企業に勤めるITエンジニアであれば、社内での役職も少しは気にするのではないでしょうか。役職が上がればあがるほど責任は増しますが、給与面でも差がでてきます。
そして管理職に就こうと思っても、PGのままでは難しいものがあります。部下を持つようになれば、その部下の面倒も見ていかなければなりませんので、人を管理する能力も必要になってきます。そうした能力があれば、開発の現場でもいちプログラマーではなく、マネージメントをする側のポジションになるはずです。
もし社内で出世したいという希望があるなら、プログラマーで満足するのではなく、SE、PL、PMなどのポジションを狙っていくようにしなければなりません。
オフショア開発が普及しているもの一つの要因
近年では人件費の安い海外にPG工程を外注するオフショア開発も人気で、そうした流れも「いつまでもプログラマーのままではいけない」と言われる要因の一つになっていることでしょう。
どうしても金銭面で見られてしまうと、日本人プログラマーが太刀打ちすることができません。もし日本人でありながらプログラマーとして自身の存在価値を見出すのであれば、濃密にコミュニケーションを取りながら、SEに対して提案できるようなプログラマーにならないといけません。金銭で勝てなければ、仕事の質で勝負です。
※「これからの日本人プログラマーに求められるもの(オフショアに対抗)」参照
諸外国もIT教育に力を入れだしているので、今後は日本人なりのプログラマーとしてのあり方を見つけていかないことには、プログラマーとしてやっていくのは難しいでしょう。
生涯プログラマーとして活躍するには
ここまではずーっとプログラマーのままではいけないという話をしてきましたが、生涯プログラマーとして活躍することも不可能ではありません。しかしそれはSEとしてやっていくよりも険しい道のりになるかもしれません。
生涯プログラマーとしてやっていくには、常に最新のIT技術に興味を持って、習得していく努力を欠かしてはいけません。ITの世界は技術の発展も目覚しいですし、年を重ねていくにつれて記憶力も弱くなってしまうので、決して簡単なことではないでしょう。ただし自分だけが活躍できるフィールドを探すなら、まだ誰も知らない、できないことを身につけるしかありません。
そして手にしたスキルを発揮するには、日本国内(特に大阪や名古屋などの地方都市)では難しいかもしれません。新しい技術はIT先進国と呼ばれるアメリカや北欧諸国から生まれるものです。そうした国の新しい技術を生みだすような現場であれば、凄腕プログラマーとして重宝されることもあるでしょう。
どうしても日本国内の開発では革新的なことをやっていることは少ないので、プログラマーの存在意義が薄くなってしまいます。
おわりに
プログラミングが好きでIT業界に足を踏み入れたのに、ずっとプログラマーではいられないのが現実です。今回ご説明したような理由から、多くのエンジニアはSEや管理職となって、だんだんとプログラミングから離れていくのが一般的です。
もし本気でプログラマーとしてやっていきたいのなら、それはそれでSEになるよりも大変な努力が待ち受けていることでしょう。しかしその選択もエンジニア人生を全うするという意味ではありなのかもしれません。
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