就職活動中であれば、どんな会社に就職しようか悩むことも多いのではないでしょうか。初めての就職だと社会人として働いた経験も無いため、なおさらどの会社が良いのかも分からないと思います。

コンピュータ業界でもゲーム開発やグラフィックを選考している方は、そうした業務を生業にしている企業も少ないため、ある程度就職したい会社は絞れてくるはずです。しかし情報処理を選考している学生の場合、ソフトウェア企業は山のようにあるため一層悩まれると思います。

実際、本当に行きたい会社を見つけるのは、なかなか難しいものです。そこで就職したい会社を決めるために、チェックしておきたい企業のポイントについて、ご説明していきたいと思います。

募集要項

まずは会社の募集要項を確認しましょう。これからの長い社会人生活、実際に仕事をして生きていくことを考えれば、金銭面も重要ですから、以下のことは最低限チェックしたいものです。

  • 給与はいくらか
  • 残業代は支給されるか
  • 特別な手当金は存在するか
  • 交通費は全額支給されるか
  • 昇給・賞与はあるか
  • 福利厚生は整っているか
  • 退職金制度はあるか

なかなか給料の上がらない時代ですので、ソフトウェア開発という仕事をする上でも、少しでも条件の良い会社に勤めた方が生活は楽になります。

ちなみに給与は基本給がどれだけかを確認するようにしましょう。総支給額に惑わされてはいけません。
※参考「会社の募集要項では給与ではなく”基本給”を確認しよう

勤務地、勤務時間はあまりあてにならない

ソフトウェア企業においては、勤務地や勤務時間は参考程度と思っておいた方がよいでしょう。100%社内開発という会社は別ですが、たいていはお客様先に常駐する形で開発に従事することになります。

そうすると勤務地も案件ごとに異なりますし、勤務時間についてはお客様先の勤務時間が適用されることが一般的です。さらに休日数も就職する会社の基準とは別に、お客様の環境に準拠することが多く、祝日が無いかわりに年末年始やゴールデンウィークに長期休暇があるなど、常駐先によって変わってきます。

業務内容(オープン系か、制御系かなど)

いくつもあるソフトウェア企業ですが、それぞれの会社で強みとなる分野などは微妙に異なってきます。

例えば制御系の開発をメインで行っている会社もあれば、弊社のように業務系の開発をメインで行っている会社もあります。さらに突き詰めると、業務系の中でも製造業関係を得意としていたり、金融関係を得意としていたりなど、企業によってさまざまです。

もし「こうした分野の開発がしたい」という明確な希望があるのなら、会社の事業内容をチェックして、自分の希望が実現しそうな会社を選ぶようにするのもよいでしょう。

会社の方針が自分に合っているか

働くということは自分の労働力を提供し、その対価として賃金を受け取る行為です。そう考えるとどの会社で働いても同じような感じを受けますが、実際は自分に合わない会社に勤めていると、不満も多くなり、だんだんとストレスがたまって疲弊していきます。

合うか合わないかは、会社が目指すべき将来像とでも言うのか、経営方針のようなものが、自分にマッチしているかどうかです。金銭のために働くのは大事なことですが、それとは別に”働きがい”を感じられるかどうかが、楽しく仕事をする上で重要な要素なのです。

社員が一丸となって、一つの目標のために努力していくことは非常に気持ちがいいことです。だからこそ会社の目指すべき方向と自分の考えがマッチしていれば、そこに”やりがい”を見出せるはずです。

会社の思いに共感できるかどうかを確認するためにも、会社説明会などの場では、将来のビジョンや経営方針について質問してみるとよいでしょう。

エンジニアとして成長できる環境があるか

技術職であるシステムエンジニアならではの観点ではありますが、エンジニアとして成長できる環境があるかどうかも会社を決める上で確認しておきましょう。

「本人の努力なくして成長なし」というのは前提としてありますが、スキルアップしていくには会社側のサポートも重要になってきます。しっかりと本人の成長に合わせて、開発スキルや業務知識が身につくような開発案件を取ってくるのが会社の役割です。会社とエンジニアが一緒になってキャリアデザインを描けることが理想であります。

将来を考えるならヘルプデスクで満足してはいけない」でもご説明しているように、評価案件やヘルプデスク案件ばかりこなしていても、技術者としての成長は見込めません。仕事が取れないからとヘルプデスク案件に技術者を参画させるような企業は要注意かもしれません。

人の雰囲気(人事担当以外も含む)

ひょっとすると何十年と身を置くことになる会社かもしれませんので、どのような人柄の社員が所属しているか確認しておきたいものです。それは会社説明会や面接などで顔を合わせることの多い人事担当者以外の社員も含めてです。もし昼食会や懇親会などがあれば、積極的に参加して、社内を観察してみると、だいたいの雰囲気をつかめるかもしれません。

活気があり、人の雰囲気が良い会社は、働きやすい会社といえます。それは採用プロセスも慎重に行い、できるだけ変な人は入社させないようにしているからでしょう。

最初につく上司の存在は新入社員の将来を左右する」でもご説明していますが、新入社員の場合、最初のOJTで変な上司が教育担当になってしまうと、社会というものを間違った解釈で捉えてしまうことにもなりかねませんし、自分の成長という面では必ずマイナスになります。

上司の存在は自分では選ぶことができませんので、就職活動の時点で、できるだけ変な人のいない、人格の優れた技術者が集まる会社を選ぶようにしましょう。

 

おわりに

人生の中でも多くの時間を費やして働いていく会社ですから、そう簡単に「ここの会社に就職しよう」と決められるわけでもないでしょうが、今回ご紹介したようなポイントを、会社選びの際には参考にしていただければと思います。

現在は売り手市場が続いておりますので、さまざまな企業を見て、本当にいい会社に就職するようにしましょう。

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