システム開発をしていくにも、経験年数が足りなければ、まだまだ自分ひとりで担当業務を回すことができないのは仕方のないことです。それはゆっくりとでも着実に技術力を高めていけばよい話なので、大した問題ではないのですが、大事なのは何事にも”気づき”を意識しながら開発業務に取り組むことです。
“気づき”を意識することは、システムの品質を高めるとともに、自身の成長をはやめることにもつながるのですから。
“気づき”とは何か
まずここで言う”気づき”とは何なのか・・という話ですが、システム開発をしていれば「このロジックは無駄だな」とか「この処理を埋め込むと不具合データの生成につながるのでは」とピンとくるものがあると思います。抽象的な表現となって申し訳ないですが、一種の違和感のようなものに近いかもしれません。
そうした感覚のことを、本記事では”気づき”と呼んでおります。
言われるがままではなく、システムの大枠を理解するよう努めよう
ではどうすれば”気づき”に敏感になれるかですが、先輩SEや上司の言われるがままに作業をするのではなく、システムの大枠を理解するように努めましょう。そうすることによってただのプログラミングという”作業”から、システム開発という”仕事”へと昇華するはずです。
プログラミングにしろ、設計業務にしろ、自分が手を加える箇所がシステム全体としてどのような影響を及ぼすかを考えながら業務に取り組めば、自然と”気づき”が生まれてくるものです。
もう少し詳しく言うならば
- 誰がどのような目的でシステムを使用するのか
- インプットデータとアプトプットデータの関係性
- 共通部品など他モジュールの存在
などを意識していると良いでしょう。
気づきが生まれたら提言してみよう
もしも「ここは何かおかしいぞ」と思ったら、”気づき”の根源となる部分の調査をしてみましょう。まだまだ自身で調査できるレベルでないのなら、先輩SEや上司に提言してみるだけでもよいかもしれません。
自身の感じた違和感をもとに調査を進めることによって、不具合の検出につながる可能性もありますし、ソースコードの削減につながるかもしません。それが結果的にはシステムの品質向上につながっていきます。
そして何よりエンジニアとしての自信にもつながりますし、チーム内での貢献という意味では、より頼られる存在となるかもしれません。”気づき”に敏感になるということは良い結果をもたらすのです。
もちろん場合によってはただの思い過ごしということもあるでしょう。ただ結果はどうであれ、そうした”気づき”を持てるか持てないかが大事なのです。
センスは関係するが、センスは磨いていける
こうした”気づき”は、新米エンジニアのころは特に意識することです。成長盛りの段階でこうしたマインドを癖付けできれば、その後の成長スピードも加速することでしょうし、質の高いシステムを構築できるSEとなれるはずです。
ただ”気づき”を感じるには、センスも必要になってきます。論理的な思考が得意なのかどうかなど、センスの高さはある程度技術者自身の能力に比例することも否定できません。
ただし「自分にはセンスがない」と過度に悲観する必要はありません。システム開発におけるセンスは磨いていくことが可能ですから。以前の「プログラマーとしての”センス”の正体とはいったい何なのか」でも説明しておりますが、日々意識しながら業務に取り組むことによって、センスは高めていくことができます。
要は考え方ひとつで、いくらでもエンジニアとしての能力を高められるということなのです。
おわりに
作業指示の通りに言われるがまま業務に取り組むよりも、”気づき”を意識しながら開発業務に取り組んだ方が、圧倒的に仕事は楽しくなるはずです。これはある意味システムの品質を高めるということ以上に重要なことかもしれません。
もちろん”気づき”に敏感になりすぎるあまり、バグ対応などの面倒な作業が増えるかもしれませんが、品質向上や自身の成長につながれば結果オーライです。
新米エンジニアの方は担当業務をこなすだけでも大変かとは思いますが、”気づき”ということも意識しながら業務に取り組んでみましょう。
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