システム開発とはなかなか奥が深いもので、お客様から提示された要件を満たしてさえいれば良いわけではありません。「このエンジニア、又はこの会社に開発を依頼してよかった」とお客様に喜んでもらうには、これからご紹介する要素が大切になってきます。

顧客満足度を高めるための、良質なシステムには欠かせない3つの要素についてご説明していきましょう。

バグがないこと(仕様でごまかさない)

システムに限らずですが、誰だってお金を出して買い求めたものに対して、欠陥商品なんて求めてはいませんよね。高いお金を払って開発を依頼しているのだから、最低限バグのないシステムを納品してもらいたいものです。

お客様の業務をストップさせてしまうようなバグは論外ですが、ここで言うバグとは運用でカバーできる程度の小さなバグのこと。

エンジニアの立場で言えば、納品後に小さなバグが見つかれば、それを修正するのは意外と大変な作業。開発途中のバグなら、たいしたことはありませんが、納品後となるとバグ対応のために影響範囲の洗い出しからデグレードチェックなど、作業工数が膨らんでしまいます。

そのためバグも仕様の一部として、運用でカバーしてもらうようお客様に説明するのはよくある話。たいていの場合はこれで事なきを得ることが多いのですが、お客様の立場で言えば「運用でカバーすることがないように、そもそも最初から作りこんで」と思いますよね。余計な手間も増えてしまいますし、いろいろと記憶しておくことも増えてしまいます。

システムエンジニアはITの力でお客様の困りごとを解決するのが仕事なのに、逆にわずらわしい作業が増えてしまえば本末転倒です。お客様に心から「ありがとう」と言われるには、小さなバグも発生させない・運用作業が増えないような緻密なつくりが求められます。

使いやすいこと、操作性が高いこと

使いやすいシステムという点も重要。横文字で言うなら”ユーザビリティ”ですね。

例えば画面上に入力項目がいくつかあった場合、タブキーを押すことで次の入力すべき項目にフォーカスが合えば使いやすいですよね。また更新処理を行う際には、メッセージボックスで都度確認を入れておけば、間違ったデータを更新してしまうリスクも減って、お客様にとって優しいシステムとなります。

お客様にとって使いやすいシステムを構築するには、エンジニアのヒアリング力が高くなければなりません。上記で例にあげたシステムの表面的なことだけではなく、お客様の業務に応じた処理順序なども”使いやすさ”という点で評価される部分です。システム開発の設計段階において、しっかりとお客様の作業フローを理解しておく必要があります。

「ただ動けばよい」ではなく「操作性や作業効率を高めるにはどう動かすか」を考え、それを設計段階で緻密につくりこんでおくことが、顧客満足度を高めるシステムとなるポイントです。

処理速度が早いこと

学生時代にソフト開発のお勉強をしているうちは”処理速度”について、あまり意識することはないでしょうが、実務となると処理速度・実行速度は良質なシステムとしての評価項目となってきます。

と言うのも実務レベルの電算処理では、対象の処理件数が数万件から数十万件となることもざらにあるからです。プログラムも魔法ではなく、内部でデータを一件一件処理していますので、処理件数が多くなればなるほど結果が返ってくるまでにかかる時間も長くなります。

結果が返ってくるまでに数分、数時間かかっては、お客様もストレスを感じてしまいます。もちろんどうしても時間がかかってしまう処理はありますが、できる限りの知恵を絞って、処理時間は短くする努力をしなければなりません。

例えばDBのテーブルに対してインデックスを作成したり、プログラムでは無駄のないロジックを考える。このように、システムの構成やプログラムの最適化を行い、極力処理時間を抑えることが求められます。

 

おわりに

お客様が喜んでくれるような、顧客満足度の高いシステムを構築するには、「バグが出ないこと」「使いやすいこと」「処理速度が速いこと」の3つの要素が重要になってきます。お客様の満足度が高ければ、再度自社にシステム開発の依頼が来る可能性は高くなります。

これらのことを考慮したシステムを実装するには、エンジニアとしてもそれなりの経験が必要になりますが、できるだけこうしたことを考えながらシステム開発に取り組むようにしましょう。

 



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